福島工場

美しい緑と山並みに囲まれて
日本BDの生産物流拠点は、東北地方の玄関口福島県福島市に1987年に完成しました。
福島市までは東京から新幹線で約1時間半。緑あふれる豊かな自然。リンゴや桃、梨などの果樹園に囲まれ、吾妻連峰や安達太良(あだたら)連峰を望む、素晴らしい風景の中に福島工場は堂々と拠を構えています。誠実・実直な福島のスタッフたちは、日々改善に努め、日本品質の製品を全国にお届けしています。

行政機関との連携

1987年6月3日に行われた「竣工・開所式」に当時の県知事・市長が列席してくださったように、福島工場は開設当初から福島県や福島市など、行政機関との連携が非常にスムーズに構築されています。2005年には福島県における医療機器製造販売業の認可を取得。
名実ともに福島の製造業者として、これまで以上に業務に邁進する態勢が整備されました。

多様なニーズに応える製品開発と改良

BD BBL™生培地の安定供給と鮮度向上を目的に設けられた福島工場は、5年以内で国内販売枚数1,000万枚を目指し生産を拡大していきました。1993年には2台目の大型製造機グラハム・マシーンを導入し、さらなる増産体制が確立されました。
また福島工場では生産のみならず、日本市場のニーズに的確に応える独自製品の開発も積極的に行っています。1993年に開発されたOPA寒天培地は、日本初のMRSA選択培地として当時大きな注目を集めました。さらに2003年には、バンコマイシン耐性腸球菌のスクリーニングが可能なVRE選択培地*を東京女子医科大学と共同開発し、院内感染対策に重要な耐性菌検出を支援しています。
6製品から始まった国内生産の生培地は、今では約250品目を生産し、年間30を越える開発改良案件に対応するまでになりました。今後も多様な要望に応える製品の開発・改良に取り組んでいきます。

*VRE選択培地は、東京女子医科大学が特許を取得しています。

自然との調和、瓦屋根の工場

11万枚もの瓦を屋根に葺き、寄せ棟づくりの和風建築は、工場として異彩を放つものかもしれません。しかしこの「工場らしからぬ工場」は、建設当初から建築関係者や一般メディアの間で大きな話題を呼び、東北建築賞をはじめとする数々の建築賞を受賞しています。
そのたびに、BDの名前が新聞・雑誌で報じられるという大きな副産物を生みました。また、関心は建築家やメディアだけにとどまらず、一般市民の皆さんにも大きく広がり、「これほどまでに自然を大切にして、工場を建設した日本ベクトン・ディッキンソン社に敬意を表したい」といった投書が地元新聞に掲載されたほどです。ときには観光バスが美術館と間違えて入ってきてしまうほど美しい建築物として、今も多くのお客様の目を楽しませながら地域で親しまれています。

グローバルスタンダードの製品を日本の品質基準でお届けするために

2000年に福島工場で製造をスタートしたBDハイパック™プレフィル用シリンジは、お客様がすべて製薬メーカー様というユニークなビジネスでした。日本の製薬メーカー様にご満足いただける品質の水準は高く、そのご要望にお応えするためにはきめ細やかな対応が必要とされていたこともあり、日本で上市する製品は日本の工場で製造しよう、ということになったのがそもそもの始まりでした。
BD ハイパック™プレフィル用シリンジを製造販売しているファーマシューティカルシステム事業部の本社はフランスにあり、福島工場のプレフィル用シリンジ製造ライン立ち上げに際しては、製造ノウハウ・管理方法などの基礎を習得すべく、日本のエンジニアや品質管理に関わるスタッフが1年間、フランス工場での研修に派遣されました。福島工場の製造ラインが立ち上がるまでの間、フランス工場には、日本の製薬メーカー様向けに輸出する目的で特別に「ジャパンライン」が設置されるなど、当時から日本の市場に対しては、高品質の製品をご提供するという強いこだわりがあったことが覗えます。
現在では、ここ福島工場から年間約3,000万本以上の製品を市場に供給できるまでに成長しましたが、その道のりは決して平坦なものではありませんでした。稼動開始直後はお客様から苦情が寄せられることもしばしばありましたが、現場レベルでのプロセスの改善や徹底した品質モニタリングなどの努力が実り、今では品質に関する苦情はほぼゼロというレベルに到達し、目の肥えた日本の製薬メーカー様からも絶大な信頼を得ています。さらに最近では、その高い品質レベルを実現しているきめ細かい技術力や管理方法を学ぼうと、多くの本社スタッフが福島工場に視察に訪れるなど、私たちの生産技術の高さとその存在価値が認められています。
これからの日本の医薬品市場においては、様々な特徴・性質を持ったバイオ系医薬品やワクチン製剤などのさらなる拡大が予想されており、プレフィル用シリンジに求められる機能や品質のレベルはさらに高くなるでしょう。私たちはこれからも、さらなる技術と品質の向上に向けた努力を続けていきます。