Microbiology

微生物検査の進歩を支えた40年
Microbiology
微生物検査はBDのビジネスの大きな柱の1つです。日本支社がスタートした当初、最初に取り扱った製品も、微生物検査のBD BBL™ブランドで知られる生培地でした。BDの培地は性能が高く、日本市場でBDが信頼を得る礎を築きました。1987年、より新鮮で高品質な生培地を日本のお客様にお届けするために、福島に工場が建てられ、国産の生培地の製造が開始されました。
1980年代から、微生物検査は自動化への道を進み、BDは、血液培養検査、抗酸菌検査の先がけとして、BD BACTEC™、BD BACTEC™ MGIT™シリーズといった、液体培地と自動検出システムを発売しました。また、薬剤感受性試験も、マニュアルのBD センシ・ディスク™からセミオートのセプター™システムにシフトしていきました。
さらに1990年代、まだ日本市場に迅速診断というコンセプトがほとんど認知されていない時代に、インフルエンザを始めとした、ウイルスの迅速診断用キットを発売。地域のクリニックなどにもBDの製品が使用されるようになりました。
2000年代に入ると、微生物の検出だけではなく、感染管理や感染予防へも活動が拡大しました。医療関連感染(HAI: Healthcare Associated Infection)という欧米の新しい概念を取り入れ、多剤耐性菌の感染拡大を防止するためのアクティブサーベイランスの導入などに取り組んでいます。
今や、BDの臨床検査のスコープは、「女性の健康を守る」という新たなコンセプトのもと、性感染症の遺伝子検査や、より正確な診断を実現するための子宮頸がんスクリーニング用液状細胞診システムにも広がり、より正確で安全な診断・治療・予防を支えています。

微生物検査の歴史とともに

厳しい品質管理の下に製造されているBD BBL & Difco製品群
厳しい品質管理の下に製造されている
BD BBL & Difco製品群
BDの微生物検査用製品の二大ブランド「BD BBL™」「BD Difco™」は、1,000種類を超える幅広い製品群を擁しています。両ブランドともその歴史は古く、特にDifcoは1895年より微生物培養用の基材の製造を開始しました。米国では臨床のBBL、研および産業用のDifcoと言われるほどの高い知名度を誇り、その性能と品質は高く評価されています。
BD BBL™ブランドでは調製済みの培地、いわゆる生培地の製造を75年以上前より行っており、BDは1979年に日本での輸入販売を開始しました。その後、1987年の国内生産開始時より、自家調製から生培地化を推奨した結果、今や日本の感染症検査の現場において生培地使用率が95%以上とまで言われるほどになりました。
BD Difco™ブランドの粉末培地は、その品質の信頼性と歴史、豊富な品揃えにより、世界中で多くの研究者から支持され、研究用から医薬品の原材料、USP、JP、ISOなどのレギュレーション試験・検査にも広く使用されています。BD BBL™とBD Difco™ブランド製品は、微生物検査の分野では代名詞に近い存在であり、多くの研究者や検査現場へ長年にわたり貢献しています。

BACTECから始まった血液培養自動化の歴史

血流感染の診療には、病原微生物を特定することが非常に重要です。BACTECは、血流中の菌をいかに早く、的確に見つけ出すかという命題と半世紀にわたり取り組んできました。1960年に米国NASAで開発された14Cを利用した技術を用いて、1968年に世界で初めての血液培養装置BACTEC 110が開発されました。そして、その技術はBDに継承され進化します。
日本においては、1986年、BD BACTEC™ NR660とNR730が日本初の自動化された血液培養装置として発売されました。この自動化により、簡便・迅速な血流感染の診が可能になりました。同時に、血液検体に含まれる抗菌薬を吸着して病原微生物の検出を高めるBD レズン™の歴史も始まります。
1992年には炭酸ガスの変化を蛍光量で持続的にモニターできるBD BACTEC™9240が発売されました。これにより培養も測定もすべてが自動化され24時間365日、血液培養ボトルが監視されるようになりました。一刻の猶予も許されない敗血症の病因となっている原因微生物を、少しでも早く見つけ出すための進化だったといえます。その技術はBD BACTEC™ 9000シリーズとして3種類の装置に発展しました。
さらに2008年に発売したBD バクテック™ FXシステムでは、従来の安定した蛍光測定技術を用いながら、大量検体を省スペースで効率よく検査することを可能にしました。
また、日本において結核感染が再び増え始め警鐘が鳴らされた1998年から、BD バクテック™ MGIT™ 960システムが導入され、2000年には日本結核病学会の抗酸菌検査指針で推奨されました。その結果、迅速な抗酸菌検査が日本の結核治療の現場に定着しました。昨今、病原微生物の耐性化が問題になっており、耐性菌を増やさない医療が求められています。BACTECはこれからも、個々の患者さんに感染症を引き起こしている病原微生物を見つけ出し、科学的根拠に基づいた診療を提供するためにさらなる進化を続けます。

進化する迅速診断

インフルエンザウイルスキット BD Flu エグザマン™
インフルエンザウイルスキット BD Flu エグザマン™
A型とB型が2つの窓に分かれ、一目で識別可能
BDが日本で初めてのインフルエンザウイルス迅速診断用キット、ディレクティジェン™Flu Aを発売したのは1999年のことです。この製品は、抗インフルエンザウイルス薬の適切な使用および抗菌薬の不適切な使用の削減に繋がる画期的な製品として、当時大きな反響を呼びました。BDはこの分野での先駆者として、迅速検出技術をEIAからラテラルフローへと進化させ、以降2001年発売のキャピリア® Flu A、B、2002年発売のディレクティジェン™ Flu A+Bへと改良が重ねられていきました。
さらに、BD エグザマン™ 迅速診断用キットシリーズとして、インフルエンザウイルスはもとより、RSウイルス、便中ロタ/アデノウイルス、アデノウイルスの抗原検出キット製品を次々と導入しています。POCT分野では、今後も簡易・迅速・正確をキーワードに、製品や情報をお届けし、さらに迅速な診断と感染制御への貢献を目指していきます。

検体採取のパイオニア

開栓時の血液飛散を防ぐBD バキュテイナ™ ヘモガード™ タイプ採血管
開栓時の血液飛散を防ぐ
BD バキュテイナ™ ヘモガード™ タイプ採血管
BDが世界で初めて真空採血管を開発したのが1949年のこと。60年以上前になります。
日本では、1972年に藤沢薬品工業株式会社から、BDのバキュテイナ®真空採血管が発売されました。その後、1979年にビジネスがBDに移管され、1986年、日本で初めてとなる滅菌済み真空採血管を発売しました。当時は採血時の細菌汚染に関する危機感は薄く、採血管に滅菌を施すよう通達が出されたのは、それより20年近くも後のことでした。
正確で精度の高い検査結果を得るためには、正しい検体採取が必須というコンセプトのもと、1990年代から2000年代にかけて、製品の販売と同時に、毎年3〜4回「サンプリング研究会」の開催をサポートしました。さらに、2000年代には、安全機構付きの採血器材を次々と発売するなど、安全な検体採取に積極的に取り組んでいます。

"人々にセーフティを届けたい"

片手で簡単に作動できるBD バキュテイナ™ エクリプス™
片手で簡単に作動できるBD バキュテイナ™ エクリプス™
安全シールドにより、抜針直後から廃棄時まで、
針刺し損傷や血液曝露を防止
グローバルカンパニーだからできること、それは日本国内では知られていない海外のベストプロダクト、そしてベストプラクティスを人々に届けることではないかと考えます。
滅菌済み真空採血管、安全機能付き翼状針、安全機能付き真空採血針、単回使用ランセット、血液分注器具、単回使用ホルダー。これらは、セーフティを人々に届けるために、BDが日本国内で最初に発売した製品です。
昨今では、製品をお届けするだけでなく、情報誌の発刊や院内勉強会の開催などの情報発信を積極的に行っています。今後もハードとソフト両方のアプローチで、医療現場のセーフティに貢献できる活動を続けていきます。