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SDM™ ( Staged Diabetes Management )

SDM™(Staged Diabetes Management)=臨床病期に応じた糖尿病治療
BDが提供している糖尿病教育のシステムです


BDは、糖尿病患者さんの健康状態の改善に深く関わり、臨床病期に対応した治療法であるSDMTMや教育プログラムの開発・サービス提供・および製品開発を通して、糖尿病に関するヘルスケアを提供し続けてまいりました。
患者さんに最大の利益を提供すると共に、経済的な効果にも応えることを目標としています。

SDM™開発の歴史と展望

1985 Minneapolisの国際糖尿病センター(IDC:International Diabetes Center)のD.Etzwiler,R S Mazzeらが、開業医向けのガイドライン作成に着手。

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1988 インスリン調節のために、6000例にのぼる症例記録のデータを解析。
Becton Dickinsonが開発のためのグランドを供与。

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1991 SDMTMの名称でIDCの研修プログラムに登場。

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1993 Diabetes Care誌にSDMTMの概念と構想を発表。
「治療に関与する患者、家庭医、専門医、コメディカルの間にコンセンサスを得るガイドラインである」と。

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1994 第15回 国際糖尿病会議においてSDMTMの利点を発表。
「情報伝達とSDMTM」の第1回国際会議を幕張で開催。

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1995 わが国におけるSDMTM研究会発足。第1回研究会開催。
済生会糖尿病共同研究斑が日本語版の制作に着手。

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1996 日本版への地域化(Customization)、普及(Dissemination)の検討へ。

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1997 第16回 国際糖尿病会議において、世界中の多くの大学や病院におけるSDMTMの効果が報告された

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1998 第2回 SDMTM国際会議−日本版へのCUSTOMIZATIONを討議。
Decision Pathsの上梓迫る。

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1999 第42回 日本糖尿病学会年次学術集会において"段階的糖尿病管理"(日本版 1999)を発表。
全国各地で非専門医を対象とした研究会を発足し、活動開始。

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2000 "臨床病期に応じた糖尿病治療マニュアル"(日本版 2000)を6月に発表
全国各地で非専門医を対象とした研究会を発足し、活動開始。

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2001 SDMのインターネット版(eSDM)完成
http://www.sdmj.ne.jp/

SDM™ とは

SDM™は糖尿病の臨床病期に応じた治療ガイドラインを実践するシステムです。

SDM™は、糖尿病を専門としない実地医家、糖尿病患者指導に携わるコメディカルを主たる対象として作成されました。
非専門医によるケアの供給を効率良くし、治療の水準の向上を保証します。

ガイドラインとは

『特定の病的状態に対して適切なヘルスケアを行う実地医家と患者を支援するために、
系統的に開発された報告書』です。

The United States Institute of Medicine, 1995
ガイドラインは各国とも、学会や関係機関により提示されますが、いつでも、どこでも活用されるようにしなければ効果を発揮できません。

SDM™はガイドラインを運搬する車

SDM™は新しく示されるガイドラインを実地に持ち込むシステム化されたマニュアルです。 フローチャート(Decision Paths)には、従来のマニュアルに示されていない部分において、数多く選択肢を持つガイドラインが用意されています。

SDM™はカスタムメイド

SDM™は、国や地域で変化します。 例えば・・・
  • SMBGが普及していない国では、経済状態に応じた必要条件を基本にしています。
  • ラテン系諸国の インスリン投与ガイドラインはシエスタ(昼寝)や夜遅くの夕食に対応しています。
  • アラブ諸国ではラマダン(断食)への特別メニューが必要です。
  • グリタゾン系薬未発売の国では、それをフローチャートに載せることは出来ません。
  • 糖尿病の医療費が年々増加する理由

    1993年わが国の糖尿病にかかわる総医療費は8,249億円でした。患者のQOLの確保と、この莫大な費用の削減に安全で効率のよい糖尿病管理ガイドラインが必要です。

    わが国の糖尿病患者数は、疫学調査では690万人とされています。しかし、医療機関でフォローされている患者数は約217万人。残りは未診断か、診断は受けているが放置されていると考えられます。これら放置患者が後に起こす合併症に対する支出が問題です。
    合併症を予防し、進展を遅らせるには血糖値のコントロールが大切です。

    世界的にも、わが国でも糖尿病患者の大部分は家庭医、非専門医で治療

     1. Accessibility  いつでも、気軽にかかれる
     2. Comprehensiveness  総合的な判断が得られる
     3. Coordination  各専門家が協力体制にある
     4. Continuity  継続性を保つ〜情報の供給
     5. Accountability  管理の改善に責任を持つ

    SDM™の特徴

  • わずかな準備で利用できる。
  • 自由度の高いプログラムである。
  • 地域社会の条件にあわせて、改変できる。
  • 適応可能な多くの選択肢が用意されている。
  • 運用により、管理システムの評価と改革が同時進行できる。
  • 実行を助ける臨床上のフローチャートがある。(下図参照)
  • 診断と治療に関する多くの情報を供給する。
  • 薬物療法の開始時期、用量の調節法、検査の頻度、経過観察の方法、患者教育の基準を網羅している。
  • 日常の臨床に即して融通が利く。
  • 世界中の多くの大学病院で使用実績の効果が報告されるようになった。
  • SDM™によるパラダイム・シフト

    患者にもコメディカルにも見える治療方針を示し、患者とともにニーズに応じて治療指針を決定するコンセンサスを得ることができます。

    3分診療をガイドラインによるコメディカルの指導でカバーし、家庭医、非専門医が治療<の質を損なうことなく患者の自己管理を援助できるようになります。

    ガイドラインによる情報と技術の移転

    誰に? 患者、コメディカル、非専門医へ
    何を? 概念、具体的な技術と情報、プロセスを知らせる
    いつ? 病診連携、他科依頼、オーダー簿
    何のために? 緊急時、病気の日、インスリン調節、平常時の管理
    どのように? テキスト、フォローチャート
    なぜ? Paradigm shift(管理の枠組の変更)のために!


    BDは糖尿病管理の向上を願い、SDM™の開発を支援しています