医療関係者向けのページです

ウイルス検査の意義とはなんでしょうか?

呼吸器感染症における、迅速検査の意義

呼吸器感染症におけるウイルス検査の意義

医療現場における最近の迅速検査キットの活躍には目を見張るものがあります。中でもインフルエンザの迅速検査キットの普及は目覚しく、今日では呼吸器感染を疑う患者さんが訪れる医療機関の冬の常備品ともなり、迅速検査キットが社会的に認知されるきっかけともなりました。

迅速検査キットは、医師が患者さんを診ながら、その場で速やかに病原微生物を特定するのに極めて有用な情報を与えてくれます。この「迅速に病原微生物を特定する」ことには2つの意味があります。
(1)速やかに適切な治療を開始できること
(2)必要であれば速やかに隔離などの対処を行い感染の拡大を防止できることです。

これらがいかに重要であるかは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の例を見ても明らかであり、感染症の分野では、今後ますます迅速検査キットが活躍するようになると考えられます。

これら迅速検査キットが手軽に利用できるようになった背景には、「モノクローナル抗体」と「イムノクロマトグラフィー」というふたつの技術が大きく関与しています。前者は従来では実現し得なかった高い特異性を、また後者は迅速性と手軽さを、迅速検査キットにもたらしました。この「イムノクロマトグラフィー」の中枢となる技術を開発したのが日本ベクトン・ディッキンソン株式会社*であることをご存知でしたか?

弊社は、今後も呼吸器感染症分野を中心として次々と新しい製品を導入し感染症のコントロールに貢献してまいります。

*全ての迅速検査キットがベクトン・ディッキンソン株式会社のイムノクロマトグラフィーの技術を使用しているわけではありません。

インフルエンザウイルス検査の意義

インフルエンザウイルスは、毎年冬季に流行して急性の上気道および下気道感染を引き起こす、極めて伝染力の強いウイルスです。A、B、Cの3型がありますが、大きな流行を起し臨床的にも重要なのはA型とB型です。感染すると、突然の発熱(38〜39℃)とともに発症し、頭痛、腰痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠などの全身症状を伴い、時に嘔吐、下痢などの消化器症状を示すこともあります。

重要な合併症は、高齢者の肺炎と小児の脳炎・脳症です。

治療には抗インフルエンザ薬が有効で、早期に診断して速やかに治療を開始することが重要です。

アデノウイルス検査の意義

アデノウイルスは、主に呼吸器、結膜、腸管、泌尿器に感染し、咽頭炎や結膜炎、クループ、気管支炎、肺炎、下痢症、出血性膀胱炎など、多彩な疾患の原因となり、伝染性が強いウイルスとして知られています。アデノウイルスは年間を通じて分離されるウイルスで、季節によらず、迅速に診断して適切な感染拡大措置をとることが重要です。

アデノウイルスによる気道感染は主に晩秋から初夏に発生します。まぎらわしい細菌感染やウイルス感染との鑑別診断に迅速検査が有用です。また、発熱は40度以上の高熱を示すことが多く、有熱期間が長いので、鑑別診断は患者に治療方針や経過を説明するのにも役立ちます。3型による咽頭結膜熱(プール熱)は夏季が流行期ですが、冬にも流行を見ることがあります。

RSウイルス検査の意義

RSウイルスは、毎年冬季に流行し、乳幼児に重篤な細気管支炎、肺炎などを引き起こす代表的な呼吸器疾患ウイルスです。伝染力が非常に強く、生後1年間に約70%の乳児が感染し、その約30%が気管支炎、肺炎などを起こすとされます。乳幼児の突然死症候群の原因のひとつとも考えられており、迅速に診断して適切な管理を行なうことが重要です。

反復感染が多いのも特徴です。近年、気管支喘息との関係が明らかにされつつあり、外来診療におけるRSウイルス感染の鑑別診断がますます重要になってきています※。

RSウイルスは生涯何度でも感染し、成人では頑固な咳や鼻水を伴う急性上気道炎がほとんですが、免疫不全患者や抵抗力の低下した高齢者では重症化する場合もあります。