ペン型インスリン注入器用注射針の穿刺痛についての臨床研究結果

一般的に使用されている3種類の注射針に、痛みの差は認められなかった
2009/02/17
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。
1型および2型糖尿病患者がインスリンを投与する際に一般的に使用されている3種のペン型インスリン注入器用注射針について、針の太さや形状によって痛みの差は認められない、という臨床結果報告が、12月25日号の「プラクティス 26巻1号」*(医歯薬出版)に掲載されました。

国家公務員共済組合連合会新小倉病院糖尿病センターの藤本良士氏らは、2006年7月〜2006年8月にかけて、3種類のペン型インスリン注入器用注射針(31ゲージ, 32ゲージ, 33ゲージ)を用いて、226人を対象に穿刺痛の研究を行いました。

国家公務員共済組合連合会新小倉病院糖尿病センターの藤本良士氏のコメント:
「今回の研究に用いられた3種の針は、太さも形状も異なっていたが、穿刺痛については、有意な差は認められませんでした。」


試験概要:

対象:
内科阿部医院、および国家公務員共済組合連合会新小倉病院糖尿病センターを外来受診した患者のうち、ペン型インスリン注入器を1日2回以上使用している1型または2型の糖尿病患者。合計226 名。

方法:
被験者はBD 31G (BD社製 BD マイクロファインプラスTM 31G Thin Wall 5mm)、製品A 32G (A社製32G) または製品B 33G (B社製33G) が装着された空のペンを受け取り、腹部の所定位置にその場で穿刺し、穿刺痛の度合いを150mmのVAS* (75mmの位置に普段と同じ程度の痛みと記されている)に書き込んだ。感じられた痛みは、 “普段よりはるかに弱い痛み”(左端)、“普段と同じ痛み”(中央)、“普段よりはるかに強い痛み”(右端) とするVAS上に記入された。3 種類の注射針の1 回ずつの穿刺を1 セットとし、これを4 セット繰り返した。

結果:
試験の結果、3種の針には統計的に有意な差がないことが示された(P=0.859)。VAS 値の平均±SD(mm)はBD マイクロファインプラス 31Gが57.7±39.8、製品A 32Gが 57.0±38.8、製品B 33Gが57.0±39.7 であった。また、VAS 値の分布もほぼ同様で、中央の“普段と同じ痛み” と“普段よりはるかに弱い痛み” に2つのピークを示した(下図:一部改変: 製品名の表記を変更)。

*VAS(Visual Analog Scale):
直線上で左端をまったく痛みのない状態、右端を想像しうる最大の痛みとして現在の痛みの程度を直線上に表し、患者さん自身に、現在の痛みがスケール上のどこにあるかを示してもらうことで、痛みを評価する方法です。VASは、一般に幅広く用いられている方法です。

以上


*本文献についての情報:
藤本良士 et al.:ペン型インスリン注入器用注射針の穿刺痛に関する研究.プラクティス、26 (1):95-99, 2009.

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