糖尿病診療のためのオンライン基本マニュアルSDMのサイトを更新しました

2009/03/25
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社、(本社所在地:東京都港区赤坂4-15-1、代表取締役社長:足利英幸、以下日本BD:)は、本日、運営をサポートしている「eSDM (electronic-Staged Diabetes Management)」サイト http://www.sdmj.ne.jp/ をリニューアルしたと発表しました。

SDM は実践的な糖尿病治療の臨床ガイドで、1994年よりSDM研究会(代表 松岡健平 東京都済生会中央病院 顧問)がミネアポリスの国際糖尿病センターと共同開発した集約されたクリニカルパスです。ポケットブックは日本のオリジナルで、新しい実証を取り入れながら2〜4年に一度改訂を繰り返してきました。「eSDM」はSDMのインターネット版で、血糖コントロールに必要な治療薬の選択と用量決定を迅速化しました。

このたびSDM日本版2008年版が上梓されたのを機会に、「eSDM」のサイトを全面更新しました。SDMは単なるマニュアルにとどまらず、糖尿病医療チームのシステムとして機能するようにデザインされています。

「eSDM」に開設された医師の会員制情報サイトでは、SDMの内容を診察室から直接閲覧でき、かかりつけ医の臨床決定を助けています。患者さんが安心して地域の「かかりつけの医師」から迅速で標準的な治療が受けられるようにするためにも、日本BDは「eSDM」の役割が重要と考え、本サイトを開設当初からサポートしています。

SDM研究会代表の松岡健平先生は、eSDMについて、次のように述べています。

「eSDM」は糖尿病治療のオペレーションマニュアルとして機能しています。「eSDM」を通じて日常の診療に忙殺されている先生方の現場の生の声、本当に知りたいことを聞くことができます。メーリングリストで交わされる質疑応答に、臨床経験豊かな専門医が回答者メンバーとして待機し、適切な助言を行っています。質問と回答の一部は、メディカル朝日の「誰も教えてくれなかった糖尿病診療」にまとめられ、好評連載中です。SDMに最終版はありません。新しい発見や実証を加えながら常に進化しています。

リニューアルのポイント

  • 2008年版では、大規模な実証がない場合は、地方会の報告や臨床家が診療の合間にとったデータを参考に、ナラティブな面を取り入れています。
  • 経口血糖降下薬の選択に血糖値より患者の身体条件を、インスリン療法の選択には患者の生活環境を優先する記述となっています。
  • 食事療法の多様化に対し、アメリカ糖尿病協会もガイドに取り入れたCarbohydrate countingを1型例の部に参考として入れました。
  • メタボリック症候群を念頭に減量作戦の樹形図を加えました。
  • 診療連携を千葉県山武地区のモデルをもとに提言しました。
(* SDM2008糖尿病の基本マニュアル 序文参照)

「eSDM」は、現在3500人以上の医師の方々が登録しています。会員は、フローチャートの画面や様々な情報にアクセスできるだけでなく、メーリングリストにも参加し、匿名で質問や意見交換をできることから、日常の臨床に有効に活用されています。地域の医師と患者の皆様が、安心してガイドラインに沿った糖尿病の治療を受けられるよう、日本BDはこれからもSDM研究会の活動を応援してまいります。