BD/PEPFARが取り組む、サハラ以南アフリカにおけるHIV/AIDSと結核に対する検査体制強化活動で、大きな成果

ウガンダ、南アフリカおよびモザンビークでトレーニングプログラムを実施し、検査の操作・安全性・患者ケアが改善しています

(注: 本リリースは、米Becton, Dickinson and Companyが2009年7月19日(米国現地時間)に発表したプレスリリース “BD/PEPFAR Lab-Strengthening Initiative Marks Progress in Fight Against HIV/Aids and TB in Sub-Saharan Africa” を日本語に翻訳再編集したものです。本リリースの内容については英文資料を基本とし、翻訳文と解釈が一致しない場合は英文を優先とします。詳細はhttp://www.bd.com/press/をご参照ください。)

2009/08/19
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。
CAPE TOWN (2009.7.19) - 米国大統領エイズ救済緊急計画(U.S. President’s Emergency Plan for AIDS Relief: PEPFAR)とBD (Becton, Dickinson and Company)は、サハラ以南アフリカにおけるHIV/AIDSおよび結核との闘いで、最前線にある検査環境の改善や検査に携わる人々の技術の向上を目指して協働し、大きな成果をあげています。

PEPFARとBDの協働(1800万ドル相当)は、HIV/AIDSにより深刻なダメージを受けている多くの国々を対象としています。米国保健福祉省は、CDCを通して、PEPFARの元で検査システムの強化を進めています。BDは、医療技術のグローバル企業で、検査システム関連における技術のエキスパートです。

これまで、ウガンダ、南アフリカおよびモザンビークにおいて、一連の意欲的な検査室強化トレーニングプログラムを実践してきましたが、これらは2種のパンデミックで深刻な影響を受けた国々におけるヘルスケアシステムを立て直すという、5カ年計画の一部です。
「訓練された医療従事者の不足は、発展途上国における病気との闘いを妨げる最も大きな要因」と、BD社副社長兼グローバルヘルスケア部門ジェネラルマネージャー、クリスタ・トンプソンは述べています。「BDとPEPFARは、サハラ以南アフリカの医療従事者が医療を施せるようにトレーニングし、基礎的な能力を改善する手助けをしています。HIV/AIDSや結核もしくはその他の疾病の拡大を防ぐために必須なのが『適切な診断能力』で、その能力を身に付けるためには適切なトレーニングを実施することが必要です。」

ウガンダでの検査管理トレーニングプログラムでは、合計94名の医療従事者が、検査室における品質管理に関する広範囲にわたるトレーニングセッションを受講しました。このプログラムはInfectious Disease Institute (注:ウガンダの感染症専門のNGO)、サプライチェーンマネージメントシステム、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)、およびウガンダ厚生省の協力で開発されました。

トレーニング期間をとおして、検査担当者全体のテストスコアは、開始前の平均35%から終了時には88%にまで達し、151%も上昇しました。

さらに、ウガンダの国立結核検査センターは、BDおよびCDC-ウガンダと協力して、グローバルポジショニングシステム/グローバル情報システム(GPS/GIS)技術を用いて、遠隔地で採取されることの多い結核検体が迅速に検査センターに輸送され、検査が進められる体制を確立する活動を進めています。このような技術を駆使することで、まずはターゲットを絞った少数の検査施設で目標とする改善項目をモニターし、その後、複数の検査施設間の輸送ネットワークへ展開していくことを目指しています。現在、この画期的な検体管理法で、200以上の検体が処理されました。

南アフリカで開かれた10日間のトレーニングコースには、ボツワナ、エチオピア、レソト、ナミビア、ナイジェリアそして南アフリカから22人の微生物学者が、結核菌を検出・同定する技能の向上を目指して参加しました。トレーニングは、CDC、BDおよび他のパートナーが講師となって行われました。コース名は「結核培養と同定」で、ヨハネスバーグの総合検査トレーニングアフリカセンターで開催されました。

あるカリキュラムでは、薬剤耐性型の結核を、従来法より迅速且つ正確に同定する、液体培地検査システムが紹介されました。

モザンビークでは、BDがCDC-モザンビークおよび米国臨床病理学会と協働して、医療従事者に静脈採血トレーニングを行いました。さらに、診断検査の質を向上させるために、BDはモザンビーク厚生省やモザンビークCDCとともに、検査室の品質管理や能力査定を実施しました。

ウガンダ、南アフリカおよびモザンビークにおいて、BDは現在、厚生省、国立検査センターおよび様々な団体とともに、高品質な検査業務を広めるために活動しています。

科学者および検査技師が参加するトレーニングプログラムは、人口3億3600万人の人口を抱えるサハラ以南の8カ国を対象に実施されています。これらの国々における結核の感染率は10万人当たり426人〜692人、HIV/AIDSは2.1%〜23.9%となっています。

BDとPEPFARは、7月19-22日の第5回国際エイズ学会(南アフリカ、ケープタウン)において、HIVの発病・治療・予防について進捗を発表しました。

新たな一歩として、PEPFAR-BDの官民における協働活動は、2007年10月31日の両者による覚書の調印からスタートしました。5年計画のプログラムには、以下の事項が含まれています:
  1. 各国の事情に合わせたプログラムをサポートすることで、検査システム・サービス・品質向上戦略を包括的に構築する
  2. 医療従事者のトレーニングを行うことで、HIV/AIDS患者の管理の要となる検査診断の質を向上させる
  3. 血液学、化学、CD4検査および迅速HIV検査のためのQCおよびQAガイドラインや管理ツールを構築する
  4. 結核検査の中心拠点を強化する
  5. HIV陽性患者の結核診断の実施を向上させる

PEPFARについて

米国大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)は、2003年にグローバルHIV/AIDS対策を目的としてスタートしました。これは、一国が取り組む単一の疾病に対する対策としては、最も大きな公約といえます。当事国と協調して活動することで、PEPFARは10年間で、500万人の孤児や保護のない子供たちを含む、少なくとも300万人の治療、1200万人の新たな感染防止、1200万人のケアを支援することを計画しています。詳細については、www.PEPFAR.govをご参照ください。

BDの事業活動と会社概要について

BDは、医療機器、機器システム、試薬を製造販売し、医療技術をリードするグローバルカンパニーです。世界中の人々の健康な生活のために貢献しています。BDは、ドラッグデリバリーの改善、感染症やがんの診断の質とスピードの改善、新薬やワクチンの研究・開発・製造に重点的に取り組んでいます。 また、世界的に緊急に取り組むべき多くの疾病との闘いにおいて貢献しています。BDは、1897年に創立、ニュージャージー州のフランクリンレイクスに本社を置き、世界の約50カ国で約28,000人の社員を擁しています。そして医療施設、ライフサイエンス研究者、臨床検査室、製薬産業および一般の方々のためにサービスを提供しています。
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