東北発ベンチャー会社が開発した世界初の微生物迅速検査システムを日本BDがグローバル市場を視野に発売開始

2013/12/03
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。
医療技術の世界的リーディングカンパニー、ベクトン・ディッキンソンの日本法人、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社(略称:日本BD、本社: 東京都港区赤坂、代表取締役社長 ジョン・ハリス)は、本年12月3日付けで、マイクロバイオ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長 小川廣幸)の開発した、微生物を迅速に検出できるμ3Dコロニー迅速全自動検出システム「マイクロバイオ μ3Dオートスキャナー」、「マイクロバイオ μ3Dオートアナライザー」を発売いたします。

日本BDは、これまで日本の優れたもの作り技術を高く評価し、ビジネスパートナーの検討を続けてまいりました。その結果、この度、東北の地で世界に誇れる高度な技術を有したベンチャー企業の製品と出会い、販売提携に至りました。

マイクロバイオ 社のμ3Dコロニー迅速全自動検出システムは、世界初の画期的な3D解析によって、迅速且つ正確に菌数の測定を実現しました。現在、食品・化粧品・製薬企業にとって、安心と安全を担保する品質管理検査の迅速化および省力化を推進することは、激しさを増す市場競争の中で喫緊の課題であり、本システムはそれらに対しソリューションを提供するものです。

「BDは世界中で積極的に連携先を模索していますが、日本の技術力については大変高く評価しています。」と、日本BD社長 ジョン・ハリスは述べています。「このたびのマイクロバイオ社との提携は、日本の技術と広範囲なネットワークを持つBDとの連携という、すばらしい事例となります。さらに、両社とも東北に拠点を持っているということを、私たちは大変誇りに思います。」

ダイアグノスティックシステム事業部長 濱地和弘は、「長年微生物検査業界をリードしてきたBDとして、このような画期的な日本の技術に出会えたことは大変喜ばしいことです。品質管理の迅速化、省力化等は多くの企業が必要としているものです。この日本発の新たな製品とサービスを日本市場のみならず、近い将来、広く海外へも提供していきたいと考えています。」と述べています。

マイクロバイオ社の小川社長は10年以上に渡りマイクロバイオシステムの先端的技術を開発してきました。グローバルに知名度の高い当社と提携することで、マイクロバイオ社の検査システムが社会に広く提供できることに高い意気込みを示しています。今後とも両社で協力し合って社会に価値ある技術をお届けしてまいります。

μ3Dコロニー迅速全自動検出システムの特徴と利点

1. 世界初のコロニー3D解析で正確に菌数測定:
正確性:製品残渣等の影響を受けず、多様な製品でコロニーを正確に測定

2. マイクロレベルから連続モニタリングする機能で、検出時間の短縮:
迅速化:目視よりはるかに早くコロニーを検出することで、品質管理工程の迅速化、ひいては出荷判定の短縮、在庫コスト削減に貢献

3. 培地を使用した混釈・塗抹培養に関係なく全自動で測定:
省力化と信頼性:混釈法1・塗抹法2に関係なく準備した培地をセットするだけで、全自動でコロニー数を測定し、菌数カウントによる作業時間を軽減させ省力化を実現。さらに30分ごとにコロニー数のデータとシャーレ画像の入手ができ、品質管理の見える化を実現

1 混釈法:保温した寒天培地と微生物検査を行う試料の一部を混合したもので試験を行う方法
2 塗抹法:寒天培地表面に微生物検査を行う試料の一部を塗りつけて試験を行う方法

μ3Dの原理

1. レンズの色収差を利用した多段焦点方式

寒天表面からの深さに関係なく、ミクロン単位で同時に焦点を合わせることが可能

色収差とは
レンズで像を作るときに、光の波長によって像にずれが生じることであり、カメラのレンズでは、色収差が発生しない様に補正されている。

2. カラーデータをモノクロデータに変換して陰影を利用することにより、3Dデータの取得が可能


3. ミクロン単位で連続モニタリングし、マイクロコロニーのレベルから検出