FITCよりも最大7倍の明るさ、蛍光色素の常識を塗り替える
BD Horizon Brilliant™ Blue 515 新発売

2014/06/30
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。
日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 (略称「日本BD」、本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長 ジョン・ハリス)は、モノクローナル抗体の蛍光色素として最も幅広く使用されてきた自社FITC標識抗体より、最大7倍の明るさを有するBD Horizon Brilliant™ Blue 515標識抗体製品群を発売開始いたしました。

幅広い研究、さらに白血病の臨床検査において広く利用されるフローサイトメーターの測定に欠かせないモノクローナル抗体には、様々な蛍光色素が標識されています。中でも、すべてのフローサイトメーターに搭載されているブルーレーザーで励起する蛍光色素として、FITC (fluorescein isothiocyanate) は最も広くモノクローナル抗体の標識として使用されてきました。このたび高輝度色素BD Horizon Brilliant™ Blue 515の登場により、高精度の細胞解析が可能となり、新たな研究成果への道が開かれます。
BD Horizon Brilliant™ Blue 515は、2012年にBDが買収したSirigen社が保有していた誘電性ポリマー技術(注:2000年に誘電性プラスチック分野でノーベル賞受賞)を応用して開発された、独自のポリマー色素です。自社FITC標識抗体より最大7倍もの明るさを放ち、ブルーレーザーで励起するため、従来のFITCやAlexa Fluor® 488に代わる次世代高輝度色素と位置づけご提供してまいります。これまで判別が困難だったサブセットの測定においても、解析精度が改善し、より明瞭な分離が可能となります。

BD Horizon Brilliant™ Blue 515標識抗体の特徴
  • FITC標識抗体より、最大7倍の明るさ。(表1)弱陽性細胞や少数の細胞集団を明瞭に分離。(図1)
  • 最大励起波長490nm, 最大蛍光波長 515nm。FITCやAlexa Fluor® 488と同様にブルーレーザーで励起。
  • PEへの漏れ込みがFITCより少ない。機器設定の時間を大幅に短縮し、作業効率を向上。
  • MRSA、バンコマイシン耐性腸球菌固定、膜透過剤などへの安定性、光安定性が高い。
  • EDTAやヘパリンなどの採血管にも対応し扱いが容易。細胞内・細胞表面の様々なアプリケーションに対応が可能。

当初の発売においては100種類余の抗体となりますが、今後順次、製品の種類は増やす予定です。日本BDは、BD Horizon Brilliant™ Blue 515をご提供することで、日本の研究分野に貢献してまいります。

表1. BD Horizon BB515, Alexa Fluor® 488, FITC同一クローンでのStain Index*

(自社調べ)

図1:輝度の低いCD25 FITCにおける、CD25hiとCD25intermediateの細胞集団の解析例:


左:従来のFITC標識抗体を使用した解析では、青い細胞集団の中に、ピークは1つしか確認できない。
右:BD Horizon Brilliant™ Blue 515標識抗体を使用した解析では、青い細胞集団の中に、くっきりと分離した2つのピークが確認できる。(自社調べ)

製品イメージ写真 BD Horizon Brilliant™ Blue 515 標識抗体