「PAXgene® ccfDNA 採血管」 新発売

2017/06/01
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。


日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 (略称「日本BD」、本社:東京都港区赤坂、代表取締役社長 阿知波達雄)は、PAXgene® ccfDNA 採血管の販売を開始しました。

昨今、がんのバイオマーカー研究や、無侵襲的出生前遺伝学的検査*等において、血中のccfDNA(遊離DNA)の測定が注目を集めています。EDTA入り採血管を使用した場合では、採血後数時間で細胞が融解し血漿中にゲノムDNAが混入してしまいます。このため、検体採取後時間を置かずに血漿分離・ccfDNAの抽出を行わなければならないという制約がありました。一方、PAXgene® ccfDNA 採血管は、新たに開発された画期的な保存液を使用することで、血球由来のゲノムDNAの混入を抑制し、ccfDNAの安定化とより長期間の保存を可能とします。これにより、検査の時間的制約を緩和し、より正確で、より簡単なccfDNA測定を実現します。
*無侵襲的出生前遺伝学的検査 (NIPT: non-invasive prenatal testing) :母体血を用いた胎児染色体検査。(従来法は、生検針を用いる羊水検査)

製品特徴:
・独自の保存液により、血球由来のゲノムDNAの混入を抑制し、血漿検体中のccfDNAを安定
・採血管のまま、輸送・保存が可能
・採血後の検体は、15-25℃で7日間安定
・真空採血法により検体採取が容易


公表された比較データによると、PAXgene® ccfDNA 採血管は、独自の保存液により、10日間保存した状態でも、ゲノムDNAの混入を抑制し、優れた保存効果をもたらすことが示されています。(図1)
図1
図1:EDTA採血管とPAXgene® ccfDNA 採血管で採血した検体からccfDNAを分離し、ゲノムDNAの混入について比較を行った。採血直後の検体をt0、10日間室温保存された検体をt10とした。EDTA採血管では、10日間の保存中、血球由来のゲノムDNAと推察される大きいサイズのゲノムDNAが増加したが、PAXgene® ccfDNA 採血管で保存された検体では、血漿中へのゲノムDNAの混入が抑制された。

出典:ASSOCIATION FOR MOLECULAR PATHOLOGY 2015 Annual Meeting 発表資料

また、PAXgene® ccfDNA 採血管では、6日間の室温保存下で、EDTA採血管と比較して、溶血量の抑制も示されました。(図2)
図2
図2:EDTA採血管とPAXgene® ccfDNA 採血管で採血した検体(n=8)を35℃1日(t1、35℃)、室温6日(t6)、5時間連続転倒混和後に室温で6日間保存した(t6○)。それらの検体の血漿中の遊離ヘモグロビンの吸光度 (414nm) を測定し溶血を検討した。EDTA採血管では保存期間が延びるに従い溶血量が増大したが、PAXgene® ccfDNA 採血管で保存された検体では、EDTA採血管に比べ溶血が抑制された。

出典:ASSOCIATION FOR MOLECULAR PATHOLOGY 2015 Annual Meeting 発表資料

BDは、真空採血管のパイオニアとして、70年以上にわたり、採血システムの技術において世界中をリードしてきました。この検体採取における信頼の実績と高い技術で、今後の成長が期待されるccfDNAを用いたバイオマーカー研究のさらなる発展に貢献してまいります。

販売名:パクスジーンDNA採血管
医療機器認証番号: 219AFBZX00028000