微生物同定検査の前処理を自動化「BDキエストラ™ IdentifA」発売開始
安定した検査体制をサポート

2020/11/19
※プレスリリースは発表時のものを掲示しております。発表後、内容に変更がある場合がありますのでご注意ください。


日本BD(本社:東京都港区、代表取締役社長:阿知波達雄)は、細菌検査の工程を自動化するBDキエストラ™ ソリューションの新たな製品ラインとなる、細菌同定検査の前処理装置「BD キエストラ™ IdentifA(アイデンティファ)」を2020年11月19日に発売いたしました。BDキエストラ™ IdentifAは同定検査を行う「BD™ Bruker MALDI バイオタイパー™」に接続することで、同定検査の前処理工程から薬剤感受性試験に活用可能な菌液調製までを全自動で行うことが可能となります。

感染症への意識が世界的に高まっていることに伴う検査数の増加や、薬剤耐性(AMR)対策、医療に従事する労働人口の減少、働き方改革といった社会の変化により、医療現場の検査体制は効率化と迅速性、安定性が求められています。また、微生物検査は感染性疑いの検体を取り扱う業務ではあるものの、多くの作業工程が人の手によって行われているため、医療従事者が安全に作業できる環境の確保や検査技師の熟練度による品質の差も課題とされています。

「BD キエストラ™ IdentifA」を含む BD キエストラ™ ソリューションは、ワークフローの自動化を通して、「医療従事者の安全」や「業務の標準化」、「業務効率の向上」を実現し、より安定した検査体制の構築および迅速な検査に貢献します。

「BD キエストラ™ IdentifA」は、システムと連携して臨床検査技師が選択したコロニーの座標情報を読み取り、装置内のピペットで適切に釣菌し菌液調製を行います。ロボットアームがその菌液をターゲットプレートに均等に塗布し、必要な試薬を加えるといった微生物の同定検査の一連の前処理工程を全自動で行う装置です。

BD キエストラ™ ソリューションには、培地への検体の塗布を自動化する「BD キエストラ™ イノキュラ+™」や、培養過程を定期的に撮影し、培養状態を判定できる撮影機能付きふらん器「BD キエストラ™ リーダコンパクト」があり、これらを連結することで、微生物検査ワークフローの自動化とデジタル化を実現します。

(左)BDキエストラ™ IdentifA(スタンドアローンタイプ)  (右)BDキエストラ™ IdentifA(トータルラボオートメーションタイプ)


BD キエストラ™ IdentifAによる釣菌ステップ

  1. システムと連携し、寒天培地から釣菌予定の座標情報を取得します。
  2. ロボットアームがピペットで釣菌します。コロニー表面を検出する技術により培地の巻き込みを防ぎ、ムコイド株の場合、粘糸も自動でカットします。
  3. 菌液を自動調製します。
  4. ロボットアームがターゲットプレートへ検体および各種試薬を塗布します。
  5. 処理完了後、BD Bruker MALDIバイオタイパーと連携し、同定検査を実施します。

製品概要

販売名製造販売届出番号製品コード包装単位寸法W×D×H本体重量
BDキエストラ™ IdentifA07B1X000030001784440631台1580 x 860 x 1700約550kg

用語集

寒天培地
微生物や細胞を生育するための、寒天で作られた土台。培養される菌種によって適した種類が様々ある。
コロニー
微生物や細菌を培養した菌の塊。単一のコロニーが形成されるとスムーズで精度の高い同定検査を実施できる。複数の菌種が混ざらないようコンタミネーションを防ぐことが重要になる。
同定検査
微生物の菌種を分析し菌名を特定する検査。菌名を特定することで有効な抗菌薬の種類を絞り込み、迅速な治療につなげる役目を担う。

関連製品

「BD キエストラ™ リーダコンパクト」
販売名 : BD キエストラ リーダ コンパクト
製造販売届出番号 : 07B1X00003000154

「BD キエストラ™ イノキュラ+™」
販売名 : BD キエストラ イノキュラ+

「BD™ Bruker MALDI バイオタイパー™」
販売名 : BD Bruker MALDIバイオタイパー
製造販売届出番号 : 07B1X00003000150