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より安全な安全器材とは?

2005年11月発行
掲載内容は、情報誌「Ignazzo(イグナッソ)」発行時点の情報です。


安全器材の定義

 米国では2000年1月16日に連邦法で針刺し防止法制定後、安全器材が急速に普及し、2003年には翼状針の96%、静脈留置カテーテルの92%が安全器材に替わっている(HPISのデータによる)。日本でも安全器材が導入され始めているが、職業感染を確実に減らすためには、明確な定義と防止効果の適切な評価のもとに、より安全な安全器材を活用することが求められる。

安全器材の種類

 市場に出回っている多種多様な安全器材を評価する際に、安全器材の定義に加えて、安全機能の概念を理解することも重要である。廃棄容器を使用地点に持ち運んだり設置したりして針だけを落として収容するタイプの器材は、米国では安全器材の定義外であり、付属的な安全デザインとなる2)。
 また受動的( passive)と能動的( active)安全器材については、能動的に作動させる必要のある安全機能の方が劣る、あるいは好ましくないということはなく、個々の器材について評価する際に判断材料にして結論を出すべきではないとされている※。


※Workbook for Designing, Implementing, and Evaluating a Sharps Injury Prevention Program(http://www.cdc.gov/sharpssafety/index.html )
「針刺し損傷防止プログラムの計画、実施、評価に関するCDCワークブック」として翻訳版を『Ignazzo』本誌 CD-ROM付録に収載しています。

針刺し切創防止効果の評価方法

 安全器材の目的は針刺し切創の防止であることから、その効果の適切な評価は重要である。特定器材10万本使用あたりの針刺し切創発生頻度は、器材特有のリスクを把握し安全器材導入後の防止効果を適切に評価することが可能となる3)。

3)Jagger J, et al: Rates of needlestick injury caused by various devices in a university hospital. New England Journal of Medicine, 3(159), 284-288, 1988.

様々な安全器材の紹介


鈍的縫合針
エチガード*ニードル: ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

独自の先端形状により、スムーズな組織刺通性を実現し、針刺し切創による職業感染のリスクを軽減します。

針完全収納型静脈留置カテーテル


作動前

作動後
BDインサイトオートガード: 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

作動ボタンを押すことによってセーフティバレル内に穿刺針が完全に収納されます。使用直後から最終廃棄まで針刺し損傷や血液・体液曝露のリスクを軽減します。

安全機能付き採血針


作動前

作動後
BDエクリプス採血針: 日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

採血終了後、安全シールドを親指でカチッと音がするまで作動させロックすることで、針刺し切創のリスクを軽減します。
(文責:日本BD 細見由美子)