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第34回日本造血細胞移植学会総会 ランチョンセミナー8

キメリズム解析/HLA-Flow法を使用したHLAミスマッチ造血細胞移植後の病態解析
開催地 大阪
会場 第9会場(大阪国際会議場11F 1101・1102)
開催日時 2012年02月24日 12:10〜13:10
座長

藤島 直仁 先生

秋田大学医学部附属病院 輸血部
備考 共催:第34回日本造血細胞移植学会総会/日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

キメリズム解析/HLA-Flow法を使用したHLAミスマッチ造血細胞移植後の病態解析

渡辺 信和 先生

東京大学医科学研究所 幹細胞治療研究センター
幹細胞治療分野 病態解析領域

造血細胞移植では、急性GVHD、生着不全や拒絶、白血病の再発など、患者の予後を左右する様々な病態が発症する。これらの病態では、ドナー由来細胞とレシピエント由来細胞がダイナミックに増減するので、ドナーとレシピエントの細胞を見分けるキメリズム解析は、移植でみられるほとんどの病態の診断と解明に役立つ可能性を秘めている。現在、キメリズム解析の方法としては、X/Y-FISH法とSTR-PCR法が広く使用されている。これらの方法はドナー由来細胞の生着の確認などに役立っているが、いずれも手技が煩雑で検査に時間がかかり、キメリズムが検出されても直接その種類まで調べることができない。
我々は、臍帯血移植やハプロ一致移植の普及に伴い多くの移植がHLAミスマッチで行われていること、HLAの血清学タイピング用に開発されたアリル特異的抗HLAモノクローナル抗体がフローサイトメトリーで使用可能であることに着目し、ドナーとレシピエントにそれぞれ特異的なHLAを抗HLA抗体で染色してフローサイトメーターで判別するキメリズム解析法(HLA-Flow法、Biology of Blood and Marrow Transplantation, 2008)を開発した。本法は迅速、高感度、かつ定量的で、細胞種ごとにキメリズムを解析できるほか、特定の細胞種をソーティングして詳細に解析できることから、病態解析の手段として極めて有用な方法である。
セミナーの前半では、HLA-Flow法によるそれぞれの病態の具体的な解析方法、アリル特異的抗HLAモノクローナル抗体の種類とその性質、および本解析法におけるマルチカラー・BD FACS™ 機器の使用法と有用性について解説する。
後半では、HLA-Flow法を使用した病態解析のプロジェクトとして、厚生労働省『原発性免疫不全症候群に関する調査研究』班と、『成人T細胞白血病(ATL)の根治を目指した細胞療法の確立およびそのHTLV-1抑制メカニズムの解明に関する研究』班における付随研究について紹介する。
重症複合免疫不全症(SCID)に対する臍帯血移植では、レシピエントにT細胞やNK細胞が存在しないにもかかわらず、キメリズムの遷延やlaterejectionと呼ばれる移植後晩期の拒絶が起る場合がある。HLA-Flow法により細胞種ごとの生着動態を詳細に解析し、late rejectionのメカニズムについて考える。また、ATLに対する臍帯血移植においては、東大医科研・血液腫瘍内科が開発したATL細胞のフェノタイプ解析法(HAS-Flow法、Cancer Science, 2011)にHLA-Flow法を組み合わせ、移植後早期のATL細胞動態のモニタリングシステムを開発したので紹介する。