薬剤耐性グラム陰性桿菌、特にカルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌 (Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae, CPE)の出現と蔓延は、薬剤耐性菌対策を加速させた。
臨床の検査室で現在問題となるのは、カルバペネム耐性の腸内細菌科細菌であったとしても必ずしもCPEではないうえ、CPEであるにも関わらずカルバペネムに耐性を示さない株があり、薬剤感受性試験のみではCPEを鑑別できない点である。加えて、カルバペネマーゼには様々な型があり、世界的には、NDM型、KPC型、OXA-48型、IMP型、VIM型の5種類が知られている。我が国では国内例からはIMP型のCPEが分離され、NDM型、KPC型、OXA-48型のCPEは海外からの輸入例であることが多い。海外型のCPEが分離された場合と国内型のCPEが分離された場合では、その対策が異なるためこれらを鑑別することが重要であり、そのためにはカルバペネマーゼ遺伝子の検出が必要不可欠となる。一般的医療機関の検査室では耐性遺伝子の検出は困難なため、現在地方衛生研究における検査体制の整備が進められている。
また、従来、院内感染は同一クローン株であることを様々なタイピング解析で示していた。しかしカルバペネマーゼ遺伝子はプラスミドを介して腸内細菌科細菌内の様々な菌種に水平伝達するため、CPEのアウトブレイクではプラスミドの同一性を示すことも必要となっている。現在、S1 nuclease処理によりプラスミドと染色体を分離し、シークエンス解析することで、プラスミド解析を高速化し、アウトブレイク事例に対応している。
※本セミナーは整理券制です。
・配布日時:3月19日(日)8:00~11:00
・配布場所:仙台国際センター 展示棟 ホワイエ 受付付近
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共催:日本細菌学会総会/日本ベクトン・ディッキンソン株式会社