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第9回J感染制御ネットワークフォーラム 教育セミナー8

開催地 宮城
会場 第4会場(仙台国際センター 3F 白橿1+2)
開催日時 2017年08月26日 13:30〜14:30
備考 共催:日本ベクトン・ディッキンソン株式会社

血流感染マネジメントバンドル ‐患者アウトカムの向上を目指して‐

司会:
遠藤 史郎 先生 医師、国際福祉大学 塩谷病院教授、感染制御部部長

演者:
松島 由実 先生 岡波総合病院 副看護部長(感染管理認定看護師、認定看護管理者)
日馬 由貴 先生 国立国際医療研究センター AMR臨床リファレンスセンター 主任研究員)

血流感染症は迅速な診断、治療が要求される感染症である。日本の血流感染症診療のレベルは近年向上しており、血液培養の2セット採取、速やかな血管カテーテルの抜去など、古くは行われないことも多かったプラクティスが当然のことのように行われるようになってきた。これは、医師、看護師、薬剤師、検査技師など、職種ごとに感染症診療のボトムアップを図ってきた結果といえるだろう。しかし、実際の臨床現場において、職種ごとの「縦の」連携はもちろん大事ではあるが、異なる職種同士をつなぐ「横の」連携も極めて重要である。例えば、医師のレベルだけ高いが薬剤師や検査技師のレベルは低いまま、といった状況であれば、その病院は血流感染症診療全体のレベルが高いとはいえない。血流感染症患者の予後を向上させるには、患者に関わる全ての職業がベストプラクティスを目指す必要がある。2008年に東海地区で結成された東海血流感染ネットワークは、発足当時より職種を超えた連携に重きを置いたセミナーを開催していた。当ネットワークは2016年に行われた第8回東海血流感染セミナーにおいて、血流感染症の診断、治療の標準化を目的とした「血流感染症マネジメントバンドル」の作成に着手した。バンドルは診療環境を標準化するための「ストラクチャ」、プラクティスを標準化するための「プロセス」にわかれ、それぞれにおいて各職種が目指すべきものが明確化されている。さらに、専門性が高く敬遠されがちな小児領域についても記載が組み込まれているのが特長である。病院全体として血流感染症に対するベストプラクティスを目指すには、非常に好ましいツールといえるだろう。このバンドルをいかに活用し、どのように血流感染症患者のアウトカム改善につなげていくか、会場のみなさまとともに考えていきたい。