官民協働AMR(薬剤耐性)対策

感染性細菌、ウイルス、寄生虫、カビなどに対する抗菌薬は、現代医療を支える重要な柱です。その発見はヘルスケアの革命でした。しかし新薬開発は限られており、人々は何十年も古い薬を使い続け、また農業にもこれらの薬を利用してきたことにより、命の綱である薬剤に耐性をもつ多くの微生物を作り出してしまいました。

先日、ニューヨークで開催された国連総会において、AMR(薬剤耐性)をテーマとしたハイレベルな会議が行われ、抗菌薬に耐性をもつ感染症の拡大抑制について、世界のリーダーたちがかつてないほどの関心をもって、終日話し合いました。この会議の中で、パン・キムン国連事務総長が「AMRは、ヒトの健康、継続的な食物の生産や開発に対する根本的かつ長期的脅威」と述べました。

2016年9月21日、AMRについて国連のハイレベル会議が開催された当日、国連内でAMRについての朝食会イベントが行われ、BDが協賛しました。このイベントには、UNAIDS、the UN Special Envoy’s Office for the 2030 Goals and for Malaria、the UN Special Envoy’s Office for TB、英国のReview on Antimicrobial Resistance、the Mission of the United Kingdom to the United Nationsも協賛しました。


国連イベントは、BDのGary Cohen(Executive Vice President and President、Global Health and Development)のオープニングスピーチによって開始され、このイベントの演者およびパネリストとして、AMRの世界的権威の著名人が参加しました。演者は、以下左から右。Professor Dame Sally Claire Davies, Chief Medical Officer, England; Lord Jim O’Neill, Chair of the AMR Review and U.K. Commercial Secretary to the Treasury; Dr. Thomas Frieden, Director, U.S. Centers for Disease Control and Prevention; and Mr. Yasuhisa Shiozaki, Ministry of Health, Labour and Welfare, Japan (写真なし).

上記スピーカーに加えて、AMRの専門家である著名なパネリストが集められ、BDのRenuka Gadde (Vice President of Global Health)がモデレーターを務めました。パネリストは以下のとおりです。Mr. Andrew Fish, Executive Director, AdvaMedDx; Dr. Rosanna Peeling, Professor and Chair of Diagnostics Research, London School of Hygiene and Tropical Medicine (LSHTM), Director of the International Diagnostics Centre (IDC); Dr. Ramanan Laxminarayn, Director and Senior Fellow, Center for Disease Dynamics, Economics and Policy; Dr. Dennis Dixon, Chief, Bacteriology and Mycology Branch, National Institute of Allergy and Infectious Diseases (NIH); and Dr. John Nkengasong, Principal Deputy Director (acting), Center for Global Health, U.S. Centers for Disease Control and Prevention (CDC)。

BDは、この世界的な挑戦に積極的な役割を果たすという戦略的な立場をとっており、以下の3つの分野に貢献します。
  • ヘルスケア環境における感染予防および制御
  • 正確な診断および効果的な治療の決定をサポートする検査
  • 耐性についてのサーベイランスとレポート、および抗菌薬の適切な使用
先日発行された、Lord O’Neill 氏の元で行われたAMR調査についての最終報告書は、公衆衛生を脅かすAMRにより世界中で死亡者数が大幅に増加していること、対策を取らなければ2050年までに1,000万人の人々が毎年命を失うだろう、と示唆しています。さらに、今から2050年までに、世界の経済的生産性は100兆ドルもの多大な損失を伴うとしています。これは、南半球および北半球双方を脅かす大きな健康リスクであり、世界全体の発展を脅かす課題です。

ヘルスケア環境自体もAMRの拡大の元凶となってきたという側面もあります。臨床および検査の改善と、医療技術の効果的な応用と活用、抗菌薬の適切な使用など、さまざまな対策を取ることにより、患者のリスク軽減や耐性に伴うコストの削減が実現できます。

この広範囲に渡る挑戦において、拡大する薬剤耐性を阻止し、さらに逆転するには、官民双方のリソースと努力が必要となります。

BDのRenuka Gaddeは、「AMRには単独で解決できる術はなく、AMRという共通課題に対し、さまざまなプレーヤーが力を合わせて取り組まずして解決はない。」と述べました。