用語集

日本では過去には「誤刺」とも表現された「針刺し事故」ですが、米国では、事故、すなわちAccidentという表現は従来からなく、Injuryという用語が用いられてきました。

主に、Needle Stick Injury；NSI（針刺し損傷）もしくは、Sharps Injury；SI（鋭利器材損傷）などの用語が用いられ、医療現場で発生する針刺し切創は、Accident（事故；予測が難しい、避け難い）よりもむしろ、Injury（損傷；予測が可能で予防可能）であるという概念に基づいています。

2004年、CDCは「隔離予防策のガイドライン：医療現場における感染病原体の伝播防止（草案）」において、病院感染という言葉をやめ、医療関連感染（Healthcare-Associated Infection)という用語を提唱しました。

そして、最近では、院内感染（Nosocomial Infection）、病院感染（Hospital InfectionまたはHospital Acquired Infection）という用語は、世界的には在宅ケアでの感染を含めて「医療関連感染 Healthcare-Associated Infection; HAI」と言われるようになりました（Healthcare-Associated Infeciotns: HAIsと複数形でも表現されます）。

1996年1月、CDCはそれまでの隔離対策を修正、統合した「病院における隔離予防策のためのガイドライン（Guideline for Isolation Precautions in Hospital）」を発表しました。その中で、スタンダードプリコーション（標準予防策）は、感染症の有無に関わらず病院でケアを受ける全ての患者に適用する予防策であり、血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物・損傷皮膚・粘膜に適用される予防策です。すべての患者に対して、手洗い･手袋･マスク･ガウン･器具･リネンなどの予防策を実践することが求められています。

米国における輸液療法に携わる看護師のための団体で、継続的な教育と研究を通して輸液療法における看護業務の質の向上を図ることを目的に1973年に設立されました。輸液看護師の認定制度を行っており、輸液において期待される達成項目を中心とした「輸液看護の実践基準」（Infusion Nursing Standards of Practice）や、プロセスを段階的に説明する「輸液看護の方針と手順」（Policies and Procedures for Infusion Nursing）を発行し、質の高い輸液療法の実践に活用されています。

天然ゴムラテックスを含む製品は構成蛋白であるラテックス蛋白質によるアナフィラキシー反応や製造過程の添加剤による接触性皮膚炎を起こすことが知られています。特にラテックスによるアナフィラキシー反応では患者が死亡する例も報告されていることから、国内でも対策の重要性が議論されており、厚生労働省も医薬品安全性情報等を通して注意喚起を行っています。