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第49回日本救急医学会総会・学術集会 ランチョンセミナー25

開催地 東京
会場 B3会場(ベルサール八重洲2F ROOM D+E)
開催日時 2021年11月23日(火) 12:10 ~ 13:10【現地会場】
備考 本セミナーにご参加いただくためには、事前に学会参加登録が必要となります。
詳細は第49回日本救急医学会総会・学術集会ホームページをご確認ください。

【セミナーにご参加の方】
整理券制を予定しております。
詳細につきましては学術集会HP等にてご確認ください。

共催:第49回日本救急医学会総会・学術集会
   株式会社メディコン

「体温管理療法の今後ーTTM2 trialをうけてー」

司会:横堀 將司 先生 日本医科大学 大学院医学研究科救急医学分野
演者:錦見 満暁 先生 広島大学 救急集中治療医学

抄録錦見 満暁 先生 広島大学 救急集中治療医学
心肺停止後症候群(PCAS)に対して体温管理療法(Targeted Temperature Management; TTM)は、2002年の大規模研究以降心肺蘇生ガイドラインでも推奨され、臨床で普及したが、TTM中の最適な設定温度(低体温or平温)に関しては未解決のままである。2013年の大規模研究(TTM-1)では、高体温を回避し平温に保つ平温療法と32-34℃を目標とした低体温療法で予後に差がなく、あえて低体温療法を行う必要はないとの結果であった。2019年のHYPERION trialでは、初期波形が電気ショック非適応リズムの心停止患者に限定すれば、33℃の低体温療法群は37℃の平温療法群よりも90日後の神経学的予後が良好であった。しかしながら2021年に発表された初期波形に関わらず心原性が疑われる、もしくは原因が不明な心停止患者を対象としたTTM-2では、低体温療法群と平温療法群で6ヶ月後の死亡率及び神経学的予後に差はなかった。一見相反するように見える直近の2つのRCTの結果は重症度の違いという観点からみれば、解釈が可能かもしれない。本セッションでは最新のTTMに関するRCTの結果を整理し、PCASにとって最適なTTMとはどのようなTTMなのか、今一度考えたい。