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第7回日経・FT感染症会議

ランチセッションテーマ 「感染症における検査のあり方 ~COVID-19から学ぶ~」

収録日時:2020年11月6日(金) 12:30~13:30
ファシリテーター:
乗竹 亮治氏(日本医療政策機構 事務局長)
登壇者:
舘田 一博 先生(東邦大学医学部微生物・感染症学講座 感染病態・治療学分野/感染制御学分野 教授)
五十嵐 中 先生(横浜市立大学医学群 健康社会医学ユニット 准教授)
清水 潤三 先生(市立豊中病院 外科部長)
高木 佐登志(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社 インテグレイテッドダイアグノスティックソリューションズ事業部長)

要旨:
国内における新型コロナウイルス感染症流行の初期にクルーズ客船「ダイヤモンド・プリンセス号」で起こった集団感染では、日本ベクトン・ディッキンソンのPCR 検査装置を使って東邦大学と連携して検査、診断が進められた。市立豊中病院の事例では、4~5月に保健所に検査を依頼していた時期は結果がわかるまで数日を要し、その間、マスクなどの個人防護具を多く消費してしまう影響も出たが、院内で迅速検査を実施できるようになってから状況は改善した。今回の流行において検査体制の課題が浮き彫りになる中、危機管理として産官学連携で体制を構築していく必要がある。人的リソースを含め限られた医療資源をいかに使わないで温存するかという医療経済学の視点から、費用対効果を測ることも重要であり、検査体制の強化が医療資源の温存に帰すると考えられる。
国内でも深刻化する薬剤耐性(AMR)による感染症においても迅速な検査は重要だ。的を絞った抗菌薬を使う適正使用が可能になり、耐性菌発生の抑制につながる。豊中病院ではメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の感染の有無を調べる機器を導入し、前もって検査 を実施することで感染防止につなげているが、全国的にはこうした取り組みは広がっていない。診療報酬上の手当てや機器などの保険収載を通じて、感染症の検査体制を確立していく必要性が 現場の医療者を含むマルチステークホルダーから指摘された。