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東京リビング 2003年5月29日
順天堂医院 腎・高血圧内科 濱田千江子さん

順天堂医院 腎・高血圧内科 濱田千江子さん

【Profile】
長崎大学医学部卒業。
順天堂大学内科学研修後、同大医学部腎臓内科入局。1989年から3年間渡米、帰国後同医局勤務。現在臨床講師。
「女性専用外来」問い合わせ・予約Tel 03(3813)3111 内線5327(月〜金曜午前9時〜午後4時)

自分の健康は自分で守る時代。何もかもお任せというのではなく、病院とも対等に付き合いたいものですね。信頼できる地域の病院を選ぶポイントは?個人ではなかなか知ることができない、病院の医療体制や姿勢などについて、順天堂大学医学部附属順天堂医院の 腎・高血圧内科専門医・濱田千江子さんに聞きました。

予約制の「女性専用外来」スタート 医師と患者の相互理解を大切に

—   新しく「女性専用外来」ができたそうですね。

A 5月16日にオープンしました。女性は体調不調で受診しようというときに男性医師に診てもらうのは抵抗があるという人は少なくありません。女性特有の疾患の場合はなおさらです。まず女性医師が話をうかがい要望や必要に応じて専門外来に紹介する、その窓口になるところです。毎週金曜日の午前9時〜正午、予約制です。予約料はかかりますが。診察内容は、内科疾患一般、こころの問題、高脂血症、肥満、膠原病、更年期障害、骨粗しょう症ほか、診察だけでなく、X線撮影や心電図などの検査技師、入院の場合の担当医も、要望があれば可能な限り女性が担当します。


—   女性専用外来というのは、医療を受ける側の選択の幅が広がるということ、患者中心の医療の表れですね。

A 医療は相互理解が大切。声を掛け合い、話し合えば解消できる問題でも、もししこりになっているとすれば、いい関係、いい医療は整えられないということになります。コミュニケーションがとれてこそ、医療側からもその人に合った情報提供ができるのです。また、情報は患者さんが十分に理解できるように提供されてこそ、さらに治療に対する意欲が生まれるのだと思います。

厳しい、院内感染対策、安全対策 基本は、手洗い励行、声かけ確認

—   患者の立場に立った姿勢ということで、安全対策にはどのように取り組まれていますか。

A 院内感染対策や安全対策は、今、どこの病院でもなくてはならないものになっています。当たり前のようですが、安全対策については厳しい方だと思います。
また、どこの病院でも、日常の診療の中でヒヤリとしたこと、ハッとしたこと(ヒヤリハット)を報告するようになっていますが、その報告件数が多いことが問題ではありません。むしろ多いくらいのほうが、実は大きな事故に至らない、スタッフ全員が問題意識を持っているから、小さなことでもレポートとして上がってくるのだと思います。情報を隠しているのが一番いけない…。私どもも各部署に安全対策委員会を設けて、かなり厳しい取り組みを行っています。


—   あちこちに「手洗い励行」の張り紙が目に入りますが。

A 私自身は腎臓が専門なので、人工透析や血液を扱うときにはそのつど手を洗います。こういう基本的な積み重ねが大事なのです。
また、患者さんの取り違えを防ぐために、手術や検査のときにしつこいくらい「お名前をおっしゃっていただけますか」と聞くものだから、ぶ然となさる方もいらっしゃいますが、これも大事な安全確認です。病院の姿勢を感じとってもらえればうれしいのですが。