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操作上の留意点:BD BBLCRYSTAL

詳細は添付文書をご確認ください。
BD BBLCRYSTAL同定検査キットをご使用の際は、次の項目に注意してください。

使用する培地および外部試験

  • 添付文書に記載されている培地を使用する。
  • グラム染色を行う。
BD BBLCRYSTAL同定検査キットをご使用の前に、グラム染色を行いグラム陽性か陰性かを確認してください。また、コロニー形態の入力が必要になります。

菌液調製

パネルへの接種には、純培養のコロニーを使用する。 純培養でない場合、誤同定もしくは同定不能となります。
  • 菌液は指定されたマクファーランドに調製する。
  • 菌液調製には、白金耳もしくはコットン製の滅菌綿棒を使用する。ポリエステル製の綿棒は結果に影響を及ぼす可能性があります。
  • ブロスはボルテックスミキサーでよく攪拌し、十分に混和させる。

パネルへの分注

  • BD BBLCRYSTAL のリッド(基質のついたもの)は開封後ただちに使用する。 基質は開封後1時間位で湿気を吸収するため、品質の低下が始まります。このため同定結果に影響を及ぼす場合があります。
  • ブロスは全量(約2.3ml)分注する。 菌液が濃すぎた場合、
    a. 新しいブロスを使って、マックファーランド(ご使用試薬の添付文書でご確認下さい)のと同等の菌液を調製します。
    b. 別途菌液調製をするために、さらにコロニーが入手できない場合は、無菌操作法を用いて、0.85%滅菌食塩水、または菌液の最少必要量(1.0mLを超えない)を加えることによって、菌液を希釈し、マックファーランド(ご使用試薬の添付文書でご確認下さい)と同等な濁度まで下げます。試験管に加えられた超過分を、滅菌ピペットで取り除き、菌液の最終量が試験管中の元の量(2.3±0.15mL)とおよそ同等になるようにします。菌液を多いままにしておくと、ベースの黒い部分に菌液が溢れ、パネルを使用することができなくなります。

    その際ベースには2.3ml分注します。分注する量が多すぎた場合、基質が別のウェルに移って誤同定や同定不能になることがあります。
  • 30のウェルすべてに分注後、残液は注入口に戻しリッド装着の際リッドについたスポンジで吸収させる。 残液を吸収させないでそのままにした場合、基質が混和して誤同定や同定不能になることがあります
  • ウェル間に菌液が残存した場合、綿棒などで余分な菌液を拭い取る。 残液がウェル間に残っていると、誤同定や同定不能になることがあります。
  • リッドとベースは、「パチッ」と音がするまでしっかり装着させる。 リッドをベースに揃えて装着しますが、その際「パチッ」という音が2回すればきちんと装着されたことになります。密着されないと、菌液の漏れが生じます。
  • リッド装着後、約1分パネルを静置する。 菌液と基質を十分混和させるために、リッドを装着後そのままの状態で約1分パネルを静置します。

培養

  • 非CO2 フラン器内で湿度を与え,好気的に培養する。 CO2 培養や嫌気培養をすると誤同定になります。フラン器内の湿度が低いとウェルに気泡が入りやすくなり、読み取りの際色が見にくくなります。湿度を与えるためには、とくに厳格な規定はありませんが、次のような方法が考えられます。 A. キットに入っているビニール袋の中に十分にぬらしたペーパータオルを敷き、その上にパネルの入った培養トレイを入れ,ビニール袋の口を縛り、この状態でフラン器に入れ、培養する。
  • パネルはひっくり返して培養する。 パネルをひっくり返すことで、菌液と基質を十分に混和させることができます。

色調判定

  • パネルは、適切な時間培養後取り出し判定する。 24時間培養した場合、30分以内に判定してください。
  • 蛍光基質は、4Aのウェルより明るいものを陽性と判定する。 AからDまでの列が蛍光基質で、4A(左上端のウェル)はネガティブコントロールです。明るさが4Aと同じかそれより暗いものは陰性と判定します。
  • 色調判定にはパネルビュアーを使用する。 UVライトはお勧めできません。CRYSTALはパネルビュアーで判定するようになっています。UVライトを使用する場合は、添付文書に記載されている精度管理用菌株で事前にチェックしてください。各項目の反応をカラーチャートと比較して判定します。UV光源を使用する場合、目を保護してください。パネルビュアーにはEYE PROTECTIONがついています。