5-4. RSウイルス検査の意義

RSウイルスは、毎年冬季に流行し、乳幼児に重篤な細気管支炎、肺炎などを引き起こす代表的な呼吸器疾患ウイルスです。伝染力が非常に強く、生後1年間に約70%の乳児が感染し、その約30%が気管支炎、肺炎などを起こすとされます。乳幼児の突然死症候群の原因のひとつとも考えられており、迅速に診断して適切な管理を行なうことが重要です。

反復感染が多いのも特徴です。近年、気管支喘息との関係が明らかにされつつあり、外来診療におけるRSウイルス感染の鑑別診断がますます重要になってきています*。

RSウイルスは生涯何度でも感染し、成人では頑固な咳や鼻水を伴う急性上気道炎がほとんですが、免疫不全患者や抵抗力の低下した高齢者では重症化する場合もあります。