4-1. 院内感染についてパートII 「院内感染と耐性菌」

監修:金光敬二先生(福島県立医科大学 感染制御医学講座 教授)
院内感染についてパート2「院内感染と耐性菌」
感染症についての説明を第1回(感染症ってなに?)で、また、さまざまな原因で起こり得る院内感染についても、第3回(院内感染についてパートI)でお話ししました。
色々な病原体(細菌、ウイルス、カビなど)が私たちの暮らす周辺にいっぱい生息していて、またそれは病院内にもいて、虎視眈々と、すきがあれば取りついてやろう(つまり感染してやろう)とねらっていることは、お分かり頂けたかと思います。

ただ、病原体の正体を知って、そして外から帰ったらちゃんと手洗いやうがいを慣行するなど心掛ければ、これらをむやみに恐れる必要はなく、返って極端な清潔主義がからだの抵抗力を弱めていることや、アレルギーを持つ子供達を生んでいることも、併せてお話ししました。

今回は病原体の正体を更に詳しく知るために、院内で主に感染する菌で、時に大変な悪さをすることもある耐性菌についてお話ししたいと思います。
さて、院内で感染を引き起こす院内感染の原因菌としては、パートIでも既にお話しした、MRSAVRE多剤耐性緑膿菌セラチアなどが知られています。

ところで、MRSAは元々ただの黄色ブドウ球菌(油断は大敵です)が耐性化した(抗菌薬が効かなくなった)ものであり、VREもお腹にいる腸球菌と言うおとなしい菌が耐性化したものです。最初からMRSAやVREであった訳ではありません。

では、なぜ抗菌薬(説明画面へ)の効きにくくなった耐性菌が現れたのでしょうか?
イラスト:もともとはおとなしい菌が…危険で悪さをするようになるのは?