医療関係者向けのページです

充実した検査体制の確立で副作用防止を可能に

リビング堺 2003年新春号

富田林病院副院長 藤井隆さん

【Profile】
1968年、東京医科歯科大学医学部卒業。
大阪大学医学部付属病院内科、公立学校共済組合近畿中央病院副院長などを経て、2001年から現職。専門は内科、とくに膠原病、リウマチ、アレルギーなど。大阪市立大学医学部臨床教授、大阪大学医学部非常勤講師。日本リウマチ学会認定医。日本アレルギー学会評議会、専門医。

自分の健康は自分で守る時代。何もかも医者にお任せというのではなく、病院とも対等に付き合いたいものですね。信頼できる地域の病院を選ぶポイントは?個人ではなかなか知ることができない医療の最新情報や病院の医療体制などについて、富田林病院副院長の藤井隆さんに聞きました。

リウマチと上手につきあう 正しい知識で病気への理解を

—     病院の基本方針を教えてください。

A 地域の中核病院として医療・保険・福祉の役割を担い、常に地域の方々のニーズを追及した、良質な医療を提供するという方針で運営しています。そのために、特別養護老人ホームや老人保健施設とも密接に連携。生活習慣病予防、脳ドック、肺がん検診など、健診センターの充実にも努め、地域住民の健康管理を積極的にお手伝いしています。また「地域医療連携室」を設け、医院や診療所との連携を強化。情報を共有、交換し、より地域に密着した、安心して利用できる病院体制作りを目指しています。


—   女性に多い病気、リウマチの専門外来があるそうですよね。

A 関節リウマチは高齢者の病気と思われがちですが、決してそうではありません。30〜40歳代の、子育てや仕事に最も忙しい年代に多く発症します。「治らない病気」というイメージがあるのか、ショックを受けられる方が多いのですが、早期に発見して適切な治療を受ければ、痛みも改善し、支障なく日常生活を送ることができます。とくにここ数年の治療技術の進歩や新薬の研究・開発はめざましく、決して悲観する病気ではありません。
ただ、複雑な病気だけに治療方法は十人十色。同じ薬を使っても、効き目も副作用も違います。いたずらに不安にならず、医師の説明をよく受け、正しく病気を理解した上で、医師をパートナーとして「一緒に病気を治していく」という姿勢を持ってもらいたいと思います。

一人ひとりの患者さんへの思いが一番大切な医療の基本

—   風邪などの感染症をきっかけに症状が悪化することもあるそうですが、院内感染への対策は。

A 院内感染対策委員会を設け、院長自らが委員長となって、マニュアルを作るなど積極的に取り組んでいます。また、その中に感染コントロールチーム(ICT)を組織し、それぞれの部署で、基本的なことまで徹底してチェックしています。


—   院内の検査体制が充実しているとか。

A 24時間対応など、緊急検査体制ができていて、リアルタイムに患者さんの状態が判断できます。リウマチ外来では、検査結果が必須ですが、約30分で結果が出るので、そのデータと患者さんの症状の両方を見ながら診察が可能。治療効果や副作用の有無が迅速に判断でき、副作用防止にもつながっています。
治療法や薬についても正しい知識を持っていただくために、一人ひとりへのインフォームドコンセントに時間をかけ、理解してもらえるよう努めています。どんな病気であっても、一人ひとりの患者さんを大切にしていくことこそが、医療の基本だと思いますね。