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Q1 EPINet(エピネット)とは?● 1992年BD(ベクトン・ディッキンソン社)のサポートによりコンピュータープログラムを含むサーベイランスシステムとして公的に配布され、米国の1,500以上の医療機関が導入し、イタリア・カナダ・スペイン・イギリス・ブラジル・オーストラリア・ニュージーランド・台湾、そして日本など、世界的にも活用されています。 Q2 EPINet(エピネット)システムの基本構成は?
● EPINet(エピネット)システムは、2種類の報告書(A. 針刺し・切創報告書、 B. 血液・体液汚染報告書)と、それぞれの報告書のデータを入力・解析するコンピュータープログラムによって構成されています。日本ではEPINetTM日本語版として1995年に日本ベクトン・ディッキンソン(株)から、そしてエピネット日本版として東京大学医学部附属病院感染制御部を事務局とする職業感染制御研究会から発行されています。エピネット日本版は、1996年からHIV感染に関する臨床研究において実施されたエイズ拠点病院における針刺し・切創損傷調査の報告書として用いられ、2006年末現在800施設以上が報告書としてエピネット日本版を使用していると推定されています。
●EPINetシステムの基本構成● 1.報告フォーム A. 針刺し・切創報告書 Needlestick & Sharp Object Injury Report B. 血液・体液汚染報告書 Blood & Body Fluid Exposure Report 2.解析システム 【米国】 1.1992年 Epi Info(CDC開発 疫学調査のためのプログラム) 2.2000年 EPINetTM for Microsoft Access (バージニア大学開発 EPINetデータ入力解析専用のプログラム) 【日本】 2007年1月 最新版EpisysA&B109 (職業感染制御研究会開発 エピネット日本版集計解析ソフト) http://jrgoicp.umin.ac.jp/index.htmにて申し込み入手可 Q3 EPINet(エピネット)を用いたサーベイランスの実際は?
● 職務上医療従事者が血中ウイルスに感染する危険性の最も高い、針刺し損傷対策の実践は緊急の課題です。しかし、医療現場で発生する血液・体液曝露の実態が正確に把握されない限り、実践的な予防対策を構築することは難しいといわれています。
● 血液・体液曝露の発生を減少させることを目的として、その実態を正確に把握し、適切な予防対策を導き出し、さらに実施した対策を評価するサーベイランスを継続的に実施することが重要です。 サーベイランスの実施方法
1. EPINet日本版を院内の血液・体液曝露報告書として採用する。
● まず、院内の報告書として、EPINet日本版報告フォーム(A.針刺し・切創報告書 およびB.血液・体液汚染報告書)を採用し、発生するすべての曝露の実態を正確に把握する体制を確立します。 ● 感染管理と同時に、労働衛生管理上の問題でもあることから、院内感染対策委員会や労働安全衛生委員会などの諮問機関で、正式に採用を決定したうえで、曝露を予防するための報告システムを組織的に確立することが重要です。 2. すべての血液・体液曝露が報告される院内体制づくり ● 日本での針刺し損傷等の報告率はきわめて低く、エイズ拠点病院における実態調査においても、推定針刺し損傷報告率は22%以下であったと報告されています。 ● 報告率が低い状況では、曝露の実態を正確に把握することは難しく、患者の感染性に関わらず発生するすべての曝露が報告されるような院内体制を確立することが重要です。 ● すべての病院関係者が1)針刺し損傷による感染の危険性を正しく認識し、2)報告する重要性(報告することによるメリット)を認識する院内教育の実施が求められ、同時に、感染性有無に関わらずすべての曝露を報告する必要性から、3)スタンダードプリコーションの概念を理解する教育も重要でとなります。 3.サーベイランスの実施(データ管理・入力・解析) 【データ管理】 ● EPINet日本版を用いたサーベイランスは、曝露の予防;Exposure Preventionが目的です。しかし、実際に血液・体液曝露が発生すると、直後の抗体検査や発症予防措置、フォローアップ等が必要となります。 ● 針刺し損傷等のサーベイランスを実践する際には、まずプライバシー保護を配慮し、感染管理責任者や院内感染対策委員、労働安全衛生委員の担当者など対策責任者を明確にした上で、データ管理を一本化することが望まれます。 【データ入力】 ● EPINet日本版の各項目の定義に詳しい担当責任者のインタビューによって完成された報告書は、正確なデータが得られ最も理想的です。 ● 実際には、当事者(曝露した職員)が記入し、提出された報告書に基づいて担当責任者がデータを入力し、もし矛盾点があれば当事者に確認して、正確な記録を完成することが一般的に行われています。 ● この場合、データを入力する者は、各項目の定義を理解し、複数で実施する場合は共通の理解のもと正しく入力することが重要です。 【データ解析】 ● 針刺し損傷の二大要因は器材の取り扱い方法と器材の構造の特性です。したがって、原因を追究し適切な予防対策を導き出す解析のポイントは、針刺し損傷の原因器材を正確に把握し、これに着目して、発生段階や発生場所、器材の使用目的などとクロス解析を行うことです。 4.導き出された予防対策の実践と評価 ● EPINet日本版のような血液・体液曝露を予防するための報告書を採用し、サーベイランスを実施することで、導き出された予防対策を実施したときの有効性を、経済効率も含めて事前に推定することができます。 ● さらに、実際に行った対策の有効性を的確に評価することが可能となります。継続的にサーベイランスを実施し、予防対策の実践と評価に基づいた教育及びマニュアルの改訂を繰り返すことを通じて、有効な針刺し損傷防止システムが発展します。 |