The Graph Window, Part 1
: FlowJo University

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The Graph Window, Part 1

FlowJo™ の面白い部分は、起ち上げてグラフウィンドウを開くところですね。グラフウィンドウでは視覚化やグラフの作成が容易に行えます。ウィンドウにはデフォルトで 2 つの測定パラメータが擬似カラードットプロット表示で表示されます。パラメータ名はここにあります。Comp-Ax700-A CD3、これは CD3 の分布です。こちらは Comp-APC H7-A HLA-DRの分布です。ここに 2 つの異なる測定パラメータを表示して、このファイルにおけるイベントの分布を見ています。

グラフには当初、データが 2D 表示で表示されます。左上にはゲーティングツールがあり、関心対象の集団の周囲にゲートを描画して、ある特定のマーカーが陽性の集団として定義できます。例えば、CD3 陽性の集団は T 細胞です。また下の方にはプロット表示オプションと Active Gate オプションがあり、このゲートの表示方法やデータの表示方法を変更できます。これについては後でご説明します。

データ表示のタイプを変更する場合、等高線 (Contour)、密度 (Density)、ゼブラ (Zebra)、ドットプロット (Dot Plot) などの白黒プロットや、一次元のヒストグラム (Histogram) プロファイルにすることもできます。私はたいてい、見栄えが良いのでゲーティングには擬似カラー (Pseudo-color) を使用しますが、出版物で掲載料がかかる場合は、ドットプロットや輪郭プロットの使用を検討しても良いかもしれません。表示の変更方法については後でご説明します。

ゲーティングツールも多様です。楕円形や、集団の輪郭に沿って自動的に描画されるゲートがあります。私が好きなのは多角形で、ボタンをクリックするたびに点が描画され、任意の数の辺を持つ多角形を好きな形で描画できます。[Undo] ボタンもあります。作成したものが気に入らないときは [Undo] をクリックすると、1 つ前の操作状態に戻ります。右上にはナビゲーションボタンがあり、上下ボタンでゲーティングツリー内を移動したり、左右ボタンでワークスペースのサンプルリスト内のサンプル間を移動したりできます。

先に進んでゲートの描画をしてみましょう。ゲートの作成やグラフウィンドウの詳細について、途中で分からないことがあれば何でも質問してください。この刺激を与えていない LD1 のサンプルから始めましょう。これはバックグラウンドコントロールで、このパネルのすべての試薬で染色してあります。サンプル名をダブルクリックするとグラフウィンドウが開き、イベントが表示されます。これがグラフウィンドウです。X 軸の前方散乱光と Y 軸の側方散乱光を見ています。前方散乱光は細胞サイズの相対測定値です。側方散乱光は、細胞の顆粒性状や細胞膜内の含有物を示します。赤い点のあるこの集団が主要な集団 (リンパ球集団) です。これを分離したいと思います。

この擬似カラーによるプロット表示では、グラフ内のある特定の位置のイベント数、つまりイベントの密度を色別表示します。赤は、その位置に多くのイベントがあるということです。黄色、緑、水色、濃い青の順に少なくなっていき、他は外れ値となります。左上のゲーティングツールを使ってゲートを作成していきましょう。まず最初に、レーザーを凝集して通過した可能性のあるダブレットとシングレットとを区別するゲーティングを行い、サンプルを少しきれいにしていきます。

これは、前方散乱面積と前方散乱高を装置でまとめて収集していれば実施できます。これらのパラメータを両方表示します。装置には Area Scaling Factor が設定されていて、単一細胞はすべて対角線上に表示されるようになっています。つまり、対角線から外れたものはダブレット細胞であると考えられます。ダブレット細胞は、2 つの異なる細胞、異なるタイプの細胞である可能性があり、こうした細胞は入れておきたくありません。そこで多角形ツールでゲートを作成します。ダブルクリックすると多角形が閉じ、名前入力用のフィールドが表示されるので、ここで作成するこのゲート集団の名前を入力します。

Singlets ゲートとしましょう。"Singlets" と入力します。リターンキーを押すと実際のグラフが …あ、違いますね。ゲート集団の名前、ゲート、そして統計値が表示されます。統計値は親集団の度数となります。これは、FlowJo™ でゲートを作成すると得られる基本統計値です。親集団の度数とは、この子ゲートに含まれる細胞またはイベントの親集団に対する割合のことです。お気付きのように、ゲートを作成すると、ワークスペースのサンプルパネル内のサンプルに、このゲートが集団ノードとして字下げで表示されます。

ゲーティングした目的の集団を掘り下げるには、作成したゲートをダブルクリックします。すると、これらのイベントだけを抽出した新しいグラフウィンドウが開きます。ワークスペースのゲート集団からも同じ操作ができます。集団をダブルクリックすると、これらのイベントだけを含むグラフウィンドウが開きます。

ここで、前方散乱光と側方散乱光のグラフで楕円形ツールを使用してもう 1 つのゲートを作成します。左上のツールをクリックします。このツールの場合は、一度クリックしてマウスボタンを押しながらドラッグします。ボタンを離すとゲートが作成され、名前入力用のフィールドが表示されます。Lymphocytes ゲートとしましょう。主要リンパ球集団である、前方散乱光と側方散乱光の小さい細胞を分離して、単球や他の大きな細胞を含むと思われる散乱光の大きなものをすべて除外します。

ゲート集団ができました。集団、つまり作成したゲートはいつでも変更できることを覚えておいてください。両端のハンドルをつかんで側面を移動したり、グラフ内で動かしたりできます。お分かりのように、表示される統計値は自動的に計算されます。ゲートは作成、配置後にいつでも好きなように変更できます。ここで、Options ドロップダウンメニューから様々なタイプのグラフを表示できることもお見せしましょう。Type とあります。これは Type メニューで、擬似カラー (Pseudo-color) と表示されていますが、等高線プロット (Contour Plot) を作成することもできます。この場合は必ず [Show Outliers] にチェックを入れて外れ値を入れるようにしてください。見栄えが良くなります。また密度プロット (Density Plot)、ゼブラプロット (Zebra Plot)、白黒のドッドプロット (Dot Plot) もあります。 ドットプロットではボックスに入力したイベント数までサンプルが落とされます。そして一次元のヒストグラム (Histogram) もあります。

ヒストグラムプロファイルでは、お気付きのようにゲーティング用のツールが変わります。ゲート範囲ツールでは、陽性集団、陰性集団や、ヒストグラムの一部を定義できます。分岐ツールでは、中心を設定し、陽性、陰性の 2 つの連動ゲートをその分布において作成できます。操作結果が気に入らなければ [Undo] ボタンで消去します。

擬似カラー表示に戻りましょう。質問にお答えします。質問が来ていますね。メインゲートにはどうやってたどり着くのか? 私もはっきりとは分かりません。David、一番簡単なのは、手始めにサンプルをダブルクリックすることです。するとこのマーカープロファイルが表示されます。前方散乱光と側方散乱光のグラフが表示されるはずです。ゲートを作成するには、左上のツールでこの楕円形ツールなどをクリックします。次にグラフウィンドウでクリックして、集団の反対側までドラッグすると楕円形が描画されます。マウスボタンを離すとゲートが作成され、名前入力用のフィールドが表示されます。いいですか?

この集団を掘り下げたい場合は、ゲートをダブルクリックすると新しいグラフウィンドウが開きます。これです。これらのイベントだけを含む新しいグラフウィンドウが開いたので、別の分布を確認して二番目のゲートを作成することができます。これを連続して行うことでゲーティングの階層、すなわち系列が構築され、様々なマーカーの複数の分布に基づいて、サンプルが個別の集団へと分類されていきます。

先に進んでもう少しやりましょう。少し急ぎます。Active Gate オプションについてご説明します。先に進みます。Active Gate オプション、ここでのもう 1 つのメニューです。何も選択していないとグレー表示されていますね。ここで、ゲートをハイライト表示、つまり 1 回クリックして選択します。するとこれらのオプションが表示され、ゲートに色づけしたり、その色を変更したりできます。[+]、[-] ボタンでゲートを大きくしたり、小さくしたりできます。ゲート内のイベントを選択します。これはゲートごとのデフォルト設定ですが、チェックを外すことも可能で、On、Off を切り替えられます。[Events Inside] のチェックを外すと、このゲート内のイベントをすべて除外することになります。数字が変わりましたね。

次に、このゲートに磁性を持たせることができます。サンプルにドリフトが多く含まれていて、このゲートを主要集団に集中させたいときは、Magnetic オプションにより、集団で最も密度が高い部分にゲートが引き寄せられ、どれだけ移動したかを示す係数が表示されます。私はたいてい Off のままにして、磁性のない状態にしておく方が好きです。これらが、ゲーティングの変更に使用できる Active Gate オプションです。

先に進んでもう 1 つの集団に行きましょう。リンパ球集団が選択されているので、HLA-DR と CD3 のグラフ (CD3 が X 軸) を表示します。このような分布が表示されます。この場合は多角形ツールを使用し、「この分布をここで切り取って、右側の細胞を CD3 陽性として定義する」ことにします。ダブルクリックすると名前のフィールドが表示されるので、"CD3+" 細胞とします。

この分布は非常に見栄えが良いですが、そうでない場合は、両軸のラベリングメニューの横に [T] という変換用のボタンがあります。これが軸のラベリングメニューで、ここで表示する分布を変更できます。これが [T] ボタンです。[T] ボタンから [Customize Axis] オプションを選択すると、[T] ボタンを起動したパラメータの二次元グラフの一次元ヒストグラムが開きます。このパラメータ表示のスケーリングを変更できます。通常利用できるのは双指数関数的変換機能と呼ばれているもので、ゼロの近くにリニア表示の範囲があり、そこから離れると対数表示になります。この分布の上下にどれだけスペースを入れてスケーリングするかを変更できます。また、ゼロ付近でどれだけ圧縮を行うかを変更できます。Width Base スライダーを右に動かすとゼロ付近のデータが圧縮されます。左に動かすとデータが広がります。こうしたオプションを使えば、このデータの見栄えを非常に悪くすることもできます。

実際に、この変更を CD3 Alexa Fluor® 700だけでなく、Y 軸の APC-H7 分布にも適用してみましょう。陰性方向の余分なスペースを一切なくし、データを過剰に広げて作成したこれらの変更を適用すると、ご覧のようにデータが軸に押し付けられたようになり、すべてを見ることができません。反対に、背後に "余分なスペースをたくさん" 作ってデータを過剰に圧縮しても、やはり見栄えはよくありません。こんなふうにデータを見ていたら、陽性と陰性との間で正確にゲーティングを行うことすらできないでしょう。

皆さん、[T] ボタンの [Customize Axis] オプションのスライダーバーや [+]、[-] ボタンを使用して、データセットを好きなようにスケーリングし、見栄えを良くしてみてください。変更を適用すると、今度はデータがすべて表示されるようになりました。お気付きのように、変換プロセスに合わせてゲートも自動的にスケーリングされます。陽性と陰性との間で正確にゲーティングを行うことのできる最適な分布を、[T] ボタンの [Customize Axis] オプションで見つけることができます。