The Graph Window, Part 2
: FlowJo University

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The Graph Window, Part 2

この CD3 陽性集団を見ていきましょう。T 細胞マーカー CD4 を X 軸、CD8 を Y 軸にしてみます。末梢血中の異なる T 細胞集団が綺麗に分かれて分布しています。4 分割ツールを使用するにはもってこいです。4 分割ツールでは、互いに接合する 4 つの個別集団に分割できます。これは直線 4 分割 (Straight Quads) で、ここでは青い線で表示されています。そして曲線 4 分割 (Curly Quads)。漏れ込みの広がりに合わせて曲がるので、漏れ込みを考慮することができます。スパイダー 4 分割 (Spider Quad) もあります。異なる集団の分割がうまくいかない場合は、中心を設定し、4 分割ゲートのアームを好きな角度に調整できます。

このスパイダー 4 分割を使用することにします。CD8 細胞に注目して、さらに 3 つのマーカーを見ることにします。Phospho-ERK を選択します。これは、細胞外シグナル調節キナーゼがリン酸化したものです。長方形のゲートを使用します。これを "pERK+" とします。ゲート集団ができました。そして Y 軸のパラメータを変更し、インターフェロンγを見ます。これは、これまで刺激を与えていないサンプルですので、インターフェロンγはあまり見られません。これを "IFNg+" とします。そしてもう 1 つ、細胞傷害性 T 細胞のマーカーであるパーフォリンです。パーフォリンは細胞毒性顆粒関連タンパク質です。これを "Perf+" とします。

単一マーカーのゲートをいくつか作成しました。このプロファイルには無駄なスペースが多すぎますね。負の対数表示部に余分なスペースが多すぎます。そこで [T] ボタンから [Customize Access] を選択し、Extra Neg. Decades スライダーで負の対数表示部のスペースをなくします。スライダーを左に動かします。そしてこの変更を、パーフォリンだけでなく、先ほど見た他の 2 つのマーカー、Phospho-ERK とインターフェロンガンマにも適用します。[Apply] をクリックするとデータが表示されます。グラフの最初の部分で多くのスペースを無駄にする代わりに、グラフのスペースをうまく利用して分布を表示しています。

今のところ、これまでに作成した集団ができています。お気付きのように、統計値は親集団の度数となっています。細胞数は順に減っていきます。250,000 個から始まりましたが、34,000 個にまで減っています。Ebony の質問は " FlowJo™ 解析用ソフトウェア 内でBiexponential(双指数関数的変換)を扱うところは他にありますか?" というものですね。 任意の装置に対する設定をお気に入りとして設定できます。この機能は、右上のハート形のアイコンから利用できます。Preferences で [Cytometers] パネルを選択すると、ファイルを受信した装置のリストが表示されます。最近お気に入りをリセットしたので少ししか表示されていませんが、"$CYT" というキーワードのところに LSR2 装置が "LSR2" と表示されています。

ここでは、[Enable Transforms] で変換を有効にして、その装置からのファイルが FlowJo™ 解析用ソフトウェア に取り込まれたときに取得する Width Basis のデフォルト値を設定できます。LSR2 からデータを読み込むと、Width Basis はデフォルトで -100 になることが多いのですが、それだと圧縮が強すぎる気がするので、私は Width Basis は -10 から始めて様子を見る方が好きです。デフォルトを -10 にしてデータを少し広げた方が、LSR2 から取得するデータファイルのほとんどに適していることが分かったのです。でもこれは装置ごとに、またパネルによっても異なると思います。これが良い出発点を得るための方法です。適切な Width Basis 圧縮値を見つけたら、Preferences の [Cytometers] を選択し、装置を選択して Width Basis の値を設定します。[OK] をクリックすると、作成した新しいワークスペースでその値がデフォルトの Width Basis として使用されるようになります。Ebony、分かりましたか?

もちろん、グラフウィンドウの [T] ボタンには他にもいろいろな変換タイプがあります。[Customize Axis] から、様々な装置に応じた様々なスケーリングができます。CyTOF データ用の逆正弦変換 (Arcsine)、Hyperlog、Logicle、Miltenyi といった変換や、通常のリニア表示 (Linear)、対数表示 (Logarithmic) もあります。ただ、ほとんどの蛍光サイトメトリーデータの表示に最適なのはこの双指数関数的変換 (Biex)でしょう。双指数関数的変換では上端、下端のスケーリングをしたり、圧縮を調節したりできます。 さて、ここにデータがあります。データの分布を見ることはできますが、他のサンプルをスクロールして見ることはできません。この "ゲーティングツリー" は単一のサンプルでのみ有効だからです。

ここで必要なのは、こうしたゲートを "ゲーティングツリー" 内やグループパネル内のサンプルグループに適用することです。一番簡単なのは、適用対象のグループをハイライト表示し、ゲーティング集団、つまり作成したゲートをハイライト表示します。そして右クリックし、選択したグループに分析をコピーします。 [Copy analysis to group] が右クリックで表示されます。 ゲートをつかんでマウスボタンを押しながらグループにドラッグアンドドロップしても、同じようにゲートが適用されます。でも FlowJo™ version 10 では、私はこの [Copy analysis to group] を使う方が好きです。何らかの理由で断続的なゲートがある場合、この方がゲートを正しい集団に適用しやすいのです。

[Copy analysis to group] をクリックすると、このとおり! Master Gates グループにゲートが適用されました。お気付きのようにゲートは赤くなります。これは "グループが持つ" ゲートになったことを意味します。グループにゲートを適用すると、ゲーティング階層のどのレベルのどの赤いゲートも、そのグループ内のすべてのサンプルで等しくなります。これが "統一マスターゲート構造" と私が呼んでいるものです。これを開くと...CD8 集団を開きました。ゲーティングマーカー、例えば Phospho-ERK を見ます。刺激を与えていないサンプルから始めます。刺激を与えていないので、右側にはあまりデータがありません。陽性集団は 5%...リン酸化したものはあまりありません。今度は、グラフウィンドウの右上にあるナビゲーションボタンが使用できます。左右の矢印ボタンで異なるサンプルをスクロールします。

ここで [Next Sample] ボタンを使用すると、20 分間刺激を与えたサンプルに移動します。ここでは表現型がシフトしていることが分かります。こうした細胞すべてにリン酸化した ERK タンパク質が含まれるようになり、リン酸化体が検出されています。2 時間、2 時間 20 分に移動しても同じです。これが繰り返し表示されます。刺激なし、2 時間、2 時間 20 分。インターフェロンガンマのような異なるマーカーを見た場合、"刺激なし" にはあまりデータが表示されず、陽性のイベントがあまりないことが分かります。"20 分刺激" を与えた場合も、インターフェロンガンマが検出できるようになるには不十分です。30 分以上刺激しないと見えるようにはなりません。2 時間にすると、インターフェロンガンマのプロファイルで良好な応答が得られます。

2 時間 20 分でも同じです。2 番目の患者でも、刺激なしと 20 分はガンマの検出に不十分ですが、2 時間では十分検出されます。ナビゲーション用の矢印ボタンでグラフウィンドウをスクロールし、ゲーティング階層のあらゆるレベルのゲーティングを確認することもできますが、確認するマーカーが多い場合はとても非効率です。そこでお勧めするのは、次のステップに進むことです。ゲートを作成したら "レイアウトエディター" でゲーティング階層全体のビューを作成します。このビューでは、ゲーティング階層のあらゆるレベルのグラフを見て、すべてのゲートを同時に確認できます。